いわゆる「カジノ法案」が最終局面を迎え、自民党はあす会期末の14日(2016年12月)に成立をはかる方針だ。議論の焦点になっているのは、ギャンブル依存症の問題。「あさチャン!」は、ギャンブルで人生が大きく変わった大相撲元関脇の貴闘力さん(49)に依存症の怖さについて聞いた。
男性の9.6%がギャンブル依存者
厚生労働省によると、現在のギャンブル依存者数は536万で男性の人口比率は9.6%と海外に比べ突出している。きのう12日(2016年12月)の参院内閣委員会で参考人質疑が行われ、賛成派は「カジノというのは、健全安全かつ公平公正な空間として、いわゆる犯罪とは無縁の世界になっている」と述べ、反対派は「ギャンブル依存症の問題は極めて深刻です。慢性進行性難治症で、放置すると自殺に至る極めて重篤な疾患です」と強調した。
実態はどうなのか、貴闘力さんは2010年に野球賭博に関与して日本相撲協会から解雇された。「(私にとって)ギャンブルは生活の一部だね。大好きな相撲がクビになったから、そりゃあ、後悔している。なんとか返そう、返そうと思っても雪だるま式に増えていって」と体験を語る。
いままでにギャンブルに費やした金額は5億円に上り、現在も借金返済中という。カジノ法案について、「法案が通ってもケアをしっかりしないといけない。依存症になった人のためのシステムをつくるとか、施設をつくるとか、そういうことが必要だね」と警鐘を鳴らす。
シンガボール、施設内にATM置けず 韓国、ひとつき15日まで入場制限
司会の夏目三久がカジノ解禁国のギャンブル依存症対策について説明する。シンガボールでは施設内に銀行ATM設置の禁止、自己破産や生活保護受給者は入場禁止など、韓国では1カ月に15日までと入場制限している。
夏目「日本ではどんな対策にするのでしょうか」
牧嶋博子(TBS解説室長)「日本ではまだ、まったく行われていません。カジノは24時間営業なので、元を取り返すまでやり続けてしまう最も依存にハマリやすいギャンブルと思います。依存症対策と依存症に対する知識を普及させない限り、絶対に導入してはいけないと考えます」
夏目「日本版カジノの行方、大きなヤマ場です」