今年のノーベル賞の授賞式が昨日(11日)、ストックホルムのコンサートホールで行われ、大隈良典・東工大栄誉教授(71)に生理学・医学賞が授与された。異色は文学賞を得た歌手のボブ・ディラン氏(75)。なんと「先約があるから」と授賞式を欠席したのだった。どんな先約だ?
大隈教授の受賞は、たんぱく質が分解・再利用される生命現象「オートファジー」の気温的な仕組みを解明した功績。「大隈教授、あなたの研究は長年の生物学の謎を解明し、細胞がどのようにリサイクルし、病気と闘うかを示しました」と称えられ、スエーデン国王から記念のメダルと賞状を授与された。
大隈さんスピーチ「酵母からたくさんの贈り物。中には好きなお酒も」
妻萬里子さん(69)とともに臨んだ晩餐会では、英語で「酵母からたくさんの教訓と素晴らしい贈り物を得た。中には、私の好きなお酒も含まれています」とユーモアを交えてスピーチした。
大隈さんは、「一生に一度なので楽しみました。(メダルは)思ったより大きなメダルだという印象です」と言っていたが、約1億円の賞金の使い道では、「研究者の裾野を広げるシステム作りに使いたい」と話した。
日本では応用研究に予算が割り振られる傾向があり、基礎研究分野で若手研究者が育ちにくい環境にある。大隈さんは「若い人自由に研究できるように、またリタイヤした人でもサポートできるといい」という。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト