週刊誌フライデーで「コカイン吸引」を報じられ、「事実無根」としていた俳優の成宮寛貴さん(34)が9日(2016年12月)、突然「芸能界からの引退」を表明した。舞台、テレビでの活躍で洋々たる未来が約束されていただけに、唐突な引退に戸惑いが広がる。共演者からはさまざまなツイッターが相次いでいる。
成宮さんの疑惑が出たのは、今月2日発売のフライデー(12月16日号)。友人の証言と写真つきで、コカイン吸引が報じられた。成宮さんは「事実無根だ」と完全否定し、所属事務所も「断固法的措置をとる」としていたが、1週間後9日発売のフライデー(12月23日号)がさらに疑惑を報じた。
自筆のファクスで引退表明
これに成宮さんは、自筆のファクスを報道各社に送り、引退を表明。事務所も薬物使用は否定しながらも「本人の意思が固いのでやむをえない」とした。自筆の引退表明は、フライデー発売の前日8日付けになっていた。
その内容だ。「すべての原因を作ったのは自分自身だと承知しております」と書き出す。「心から信頼していた友人に裏切られ、複数の人達が仕掛けた罠に落ちてしまいました」とある。
「人に知られたくないセクシャリティな部分もクローズアップされ」「間違った情報が広がり続ける......不安と恐怖と絶望感」「これ以上プライバシーが暴露され続けると思うと、もう耐えられそうにありません」「今すぐこの芸能界から消えて無くなりたい」「関係者や身内にこれ以上の迷惑を掛ける訳にはいかない」と続く。
そして「元々何もない自分をここまで育ててくださった関係者の皆様、本当にありがとうございました」「ファンの皆様、こんな形で去っていく自分を許してください」「本当にごめんなさ。そしてありがとうございました」と結んだ。
「複数の人?」「罠?」「間違った情報?」「プライバシー?」......結局何もわからないままだ。
華やかだった芸歴・・・「相棒」、蜷川「ハムレット」にも出演
デビューからの16年は華やかだ。2000年17歳の時、宮本亜門さんの舞台で俳優としてデビュー。01年「溺れる魚」で映画デビュー。02年には、仲間由紀恵さんのドラマ「ごくせん」の生徒役で出演、注目された。03年映画「あずみ」で上戸彩さんと共演。05年には「エランドール賞」の新人賞を受賞した。
09年には映画「ドロップ」に水嶋ヒロさんとダブル主演。水谷豊さんの刑事ドラマ「相棒」では、存在感のある演技が評価された。舞台「ハムレット」などで蜷川幸雄さんからも、目をかけられた。
共演者から次々ツイッター「また芝居やろう」「精神状態が心配」「唯一無二」・・・
引退の発表に共演者からもツイッターが飛んだ。
「寛貴。。。どうしてだよ。あんなに夢を語ってたじゃないか。寒い中頑張った現場を思い出せ」(「溺れる魚」で共演したIZAMさん)。「芸能界と演劇界は別だから。また気が向いたら一緒に芝居やろうな成宮」(横田栄司さん)。「本人の精神状態が心配」(「相棒」で共演の山西惇さん)
ドラマ「オレンジデイズ」の脚本家北川悦吏子さんは、「元々何もない? 冗談じゃないよ。何もない人を私が書くわけがない! キャスティングするわけがない! 唯一無二でしょ」
母子家庭に育ち、14歳で母親が死去。高校に進まずアルバイトをしながら弟を育てたことはよく知られている。その苦労に比べれば、大概のことは耐えられるだろうに。
山本由樹「週刊誌がコカインと書くからないは、それなりの裏付けがあると思う。それを否定しながら引退というのは、グレーのままということ。潔白なら通さないといけない」
杉山愛「引退までという心の傷が何なのか」
加藤浩次「ここまで出されるというのは、何のだと思いますね。疑惑は置いといても、まだやることあったんでしょうと」