元AV女優だったからできた・・・女性の性の悩み相談つづけた紅音ほたるさん追悼の声広がる

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   10月、渋谷で開かれた元AV女優紅音ほたるさんの追悼式は、弔問の多くが女性だった。記帳には「いつまでも大スキです」「また絶対に出会うね」などの言葉が並んだ。8月、喘息の悪化でわずか32歳で急逝した時、日本よりも香港、台湾などのメディアの方が大きく報じた。なぜ?

 

   ほたるさんは大阪出身。19歳でデビューするや、激しい演技でたちまちトップスターに登りつめ、DVD1000万枚を売ったAVの女王だった。が、8年前に引退すると同時に、AVが歪めたセックスの誤解を解く運動を始めた。

 

   社団法人を立ち上げ、女性限定のサイトを開設して、女性の悩み相談を受け、確認されているだけで5000人。シンポジウムや講演、執筆。街頭でまた高校でまでコンドームを配って、8年間で1万5000人に手渡ししたという。行動は日本だけではなかった。「つけなきゃダメ」と中国語で言う映像があった。

「あなたの演技が誤解与える」の一言に発奮

 

   カウンセリングスクールで心理学も勉強していた。AV女優だったから、本当の性知識を伝えられると考えていた。原点は、女優時代に聞いたファンの一言だった。「あなたの演技が誤解を与え、若い人が傷ついている」

 

   カウンセラーの浮世満理子さんは、「性の問題で、関わって相談できるカウンセラーは少ない」という。影響は教育の現場にも及んでいる。ほたるさんが文を寄せた冊子「中高生からのライフ&セックス サバイバルガイド」は、中高校の先生たちに広く読まれている。「セックスをタブーにすべきではない」「真正面から向き合って」「そんなセックス、本当はないんだよ」

 

   女性限定のサイトにはこうある。「女の子の悩みに答え、少しでも悩みが軽くなるように、悩みを共有するサイトです」。開設と同時に口コミで広がって、相談が殺到した。イベントなどで出会えば、連絡先を渡して「辛くなったら、連絡してよ」という。

 

   関西出身の27歳の女性は、20歳の頃からほたるさんに悩みを聞いてもらっていた。「話すと楽になる」。風俗店で働く29歳の女性は、崩れかけて連絡したら「偉いね、頑張ったね」と言われ、「嬉しかった。泣けた」と言った。佐賀の21歳の看護学生は、話を聞いてもらって「心が軽くなって、目標が定まった」。ほたるさんを理想に、養護教員になりたいという。

 

   都内の26歳の本田優花さんは、性同一性障害だった。海外で性転換手術を受けたが、周囲の偏見は変わらず。ほたるさんだけが、いつも時間を割いてくれた。「今まで苦労してきたんだから、自分自身を愛してあげることが大事」と言われ、しっかりとそうしている。

 

   ほたるさん自身厳しい環境に育った。「私はモノ扱いされてた」という両親が離婚して、小学生でウツになった。AV時代は虚像と実像の間で苦しんだ。引退後のほたるさんを指導したポールダンサーのKAORIさんは、「出会った頃は、反応もおかしく、大丈夫かなという状態だった。でも、元気がない子を見ると声をかける。自分がそうだったからわかるのね。放っておけない」

文   ヤンヤン
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