反原発は出まかせ 「本当は保守」三反園・鹿児島県知事を週刊文春が追及
ところで、三反園訓鹿児島県知事ほど、ガッカリさせた人間はいないだろう。元テレビ朝日の記者で「県政刷新」「脱原発」を掲げて当選したが、そうしたフレーズは選挙目当ての口から出まかせだったと、週刊文春が鋭く追及している。
九州電力川内原発を抱える鹿児島は原発問題を避けて通れない。
選挙前には、反原発を訴える候補者と政策合意し、その人間は出馬を見送った。
当選直後には九州電力に対して原発の即時一時停止を求めたが、九電が受け入れないため、「私がどう対応をとろうとも、九電は稼働させていくことになる」とトーンダウンしてしまった。
だが、これはポーズだけで、三反園はハナから原発再稼働容認だったと週刊文春が報じている。
「十月に入ると、自民党県議との非公式協議で三反園氏が『原発政策のめざす方向性は自民党と同じ』と発言したことが波紋を呼びました。将来的には原発に依存しない社会を目指すとはいえ、自民党は原発を重要なベースロード電源と位置付け、原発再稼働を推進していく方針です」(自民党鹿児島県連の関係者)
さらに元選挙スタッフに取材すると、「三反園氏は以前から有力支援者には『私は保守であり、反原発ではない』と明言していました」と口を揃えたそうだ。
何のことはない「化けの皮が剥がれた」ので、選挙民にはウソをついていたということなのだろう。
週刊文春によると、選挙中に選挙事務所を4箇所も設置し(知事選の場合は2箇所を超えてはいけない)、運転手に給与を払っていたのに、それが収支報告書に記載されていないなどの問題もあり、政治資金規制法違反に問われる可能性もあるそうだ。
週刊文春を読む限り、鹿児島県民はひどい県知事を選んでしまったものだと同情を禁じ得ない。
元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。
【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか