憲法の上に君臨する秘密の「日米合同委員会」
さて、安倍首相がオバマ大統領と一緒に、太平洋戦争の発端となったハワイの真珠湾を今月末に訪れることが決まった。
あれから75年。ようやく現職首相としては初めて慰霊の旅が実現するが、謝罪の言葉はないという。では何を語るのか。オバマ大統領はこの日声明を発表し、
「敵国が最も緊密な同盟国に変わった証拠として、今月下旬に安倍総理大臣と共に真珠湾攻撃で海底に沈んだ戦艦アリゾナの上に作られた記念館を訪れることを楽しみにしている。これは和解の力を示す歴史的な訪問になるとともに、75年前には想像できなかった同盟関係で結ばれた日米両国がより平和で安定した世界をつくるために手を携えていくことの証しとなる」(12月8日NHK NEWS WEBより)
といったが、真の同盟関係とはどういうものなのか、今のような主従関係をこれからも続けていくのか、オバマに聞いてみたいものだ。
12月6日の『報道ステーション』で日米合同委員会のことが取り上げられたことにも触れておきたい。
これは日米地位協定で決められた秘密会で、日本の官僚と米軍が60年以上にわたって会議を毎月開いているが、会議の内容は原則として公表されない。
この番組で鳩山由紀夫元首相が、自分もそうしたものがあることを知らなかったと語っている。
『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』(集英社インターナショナル刊)などを書いて、この問題に詳しい矢部宏治氏は私にこういった。
「そこ(合同委員会)で全部決めていくわけです。一次、二次、三次のガイドラインも全部そこでつくられてるし、政治なんか一切関係ないんです。
どうして安倍が集団的自衛権容認をそんなに一生懸命にやるんだっておっしゃいましたけど、そこで決まったからなんです。第三次ガイドラインを改定して、こういう内容を入れるということは前の年に決まっているから、安倍さんと自民党はやるしかないんです」
地位協定や安保条約が日本国憲法の上にあるのだ。こんな状態にある国が独立国家といえるのか。安倍首相は一度でも考えたことがあるのだろうか。