ゆく年の煩悩を取り払う大晦日の除夜の鐘。「音がうるさい」と近隣住民の苦情などで自粛するケースが相次いでいるという。「伝統がどんどんなくなってしまう」とアシスタントの若い宇賀なつみアナが嘆いた。
東京・小金井市の閑静な住宅街に一角にある八幡山千手院。近隣住民から「うるさいので鐘を鳴らさないでほしい」という苦情を受け昨年から除夜の鐘を中止している。
訪れたリポーターの原元美紀が「どのくらい大きな音がするのか今、鳴らすことは可能ですか?」に、足利正尊住職は「今、鳴らすことはちょっとできません」。
普通は鬱蒼とした木々に囲まれて本堂があるが、この寺院はがらんとした境内の一角にある本堂の軒下に鐘が吊るされ、寺院を囲むように住宅が密集している。確かにこれでは108の鐘の音はうるさかろう。
「除夜の鐘」ならぬ「除夕の鐘」に列
静岡・牧之原市の大澤寺も騒音苦情が相次ぎ10年前から除夜の鐘を自粛してきた。今井一光住職によると、大晦日午前中に釣鐘を縛り付け誰も突けないようにしてきた。
しかし、情けないことをしているんだなと思い考えた末に、3年前から除夜の鐘ならぬ「除夕の鐘」に変えたという。「去年は非常に多くの人が来られ、120~130人が列を作り認められつつあります」と話す。
除夜の鐘は、鎌倉時代に中国から伝わった。当初は住職が108回突いていたが、疲労困憊もあって後に住職が1回突き後は雑用係に任す方法がとられた。現在のように庶民がつき始めたのは江戸時代後期からという。
しかし最近では、騒音問題だけでなく住職の高齢化や焚火したり甘酒をふるまったりするボランティアが減少し中止する寺院も出てきているという。
宇賀アナ「良いと思いますよ、大晦日ぐらい」。タレントの高木美保「年越しソバを食べながらゴーンて聞きたいんですけどね~」。