「7人の侍、みなさんの命はしっかり守りますから、心配しないでください」。小池百合子東京都知事は先の知事選で自分を応援しくれた7人の区議について、そう公言してきた。だが、きのう6日(2016年12月)、自民党都連が下したのは除名だった。
「この処分は小池知事にとって『逆風』なのか、それとも『追い風』となるのか、今後の小池戦略はどうなるのでしょうか」と司会の夏目三久が取り上げた。
小池氏はきのう午後、オリンピックメダリストの有森裕子さんらと会談、終始ご機嫌だったが、「『7人の侍』が除名処分を――」と報道陣に聞かれると、一転「いやあ、私はまだ処分をされていません」と顔を曇らせた。
下村博文都連会長は「身上書」を提出しなかったことなどを理由にあげ、「再三再四、われわれとしては7人に対して十分聞く耳を持って、配慮しながら対応してきたつもりです」と説明した。
小池知事、若狭代議士との差が明らかに
7人の1人、練馬区の尾島紘平区議は「私も他の6人も覚悟はできていましたし、まったく後悔はありません」。豊島区の河原弘明区議も「これはもう受け止めざるを得ないことなので。7人で小池知事と一緒にやっていきたい」と話す。
小池氏の応援団長だった若狭勝衆院議員は「私の取り扱い(口頭での厳重注意)と7人の区議の取り扱いがこれほど大きく異なるということは、非常に問題があると思っている」と述べた。
元TBS政治部長の龍崎孝氏は「小池氏は、私たちは処分されていないのに、区議の人たちだけが処分された。こういう自民党のやり方は認められない、という形で自民党批判を強める口実のきっかけとなるでしょう」とみて、自民党と対立する構図を作り出す小池氏の戦略だと指摘する。
自民公認なしで選挙厳しいとの見方も
一方、時事通信特別解説委員の田﨑史郎氏は「7人の区議が当選したのは個人票もありますが、東京都では自民党が強いんです。次から自民党公認ではなくなると、選挙は厳しくなると思います」と話し、小池氏はこれから追い込まれ、味方をつくるために他会派に歩みよりを強めていくだろうと見る。
きのう、小池氏は都庁を後にして向かったのは、蓮舫代表もいた民進党議員の会合だった。笑顔で挨拶し「東京都議会を改革し、ともに都政を改革する仲間として頑張って頂きたい」と述べ、拍手を受けた。
順風満帆だった小池丸、いつまで続くかどうか。