東日本大震災と東京電力の福島原発事故で新潟市に避難している小学4年生児童が、担任から「菌」扱いをされて不登校になったと母親が訴えた。児童は母親、弟と自主避難した。父親は福島に残っている。
13年に小学校に入学したが、名前に菌をつけて「〇〇菌」と呼ぶいじめを受けていた。
先月22日(2016年11月)、連絡帳を受け取るときに、担任から「〇〇菌さん」といわれた。教室にいた同じクラスの児童は「先生は〇〇菌さんどうぞと言っていました。○○さん(児童)は泣きそうな顔をしてました」と話す。帰宅した児童のただならぬ様子に、母親が「何があったの」と聞くと、「先生に言われた」と口を開いた。児童はこの後、24日から登校していない。母親はこれを学校に知らせた。
「悪意はなく、愛称のつもりだった」
40代の男性担任は「絶対に言っていない」と否定していたが、「息子さんが言っているのならば、言ったかもしれない」と変わり、29~30日に行った聞き取り調査では「悪意はなく、愛称のつもりだった」として、アナキンとかヒカキンとかと同じ感じで使ったと説明した。
新潟市教育委員会は2日(2016年12月)、「学級担任の不適切な発言によって登校できない事態を招いた」と謝罪した。現在は担任を外れているという。
母親によると、いじめは以前からあった。3年生の時、家に遊びに来た子が「〇〇菌」と息子を呼んでいたので、聞いたところ、「だって福島から来た子でしょ」といわれた。同級児童は「菌」について、「体に菌が付いているから、近づいたらついちゃうって。どうしようみたいな・・・、頭を抱えてた」と話す。
被害児童はこの6月に担任に相談し、担任はいじめていた児童を指導たがいじめはなくならず、先月17日にも担任に相談していた。きっかけは横浜の同様のいじめの告白だった。「同じだ」と訴えて、担任はいじめ児童を再度指導したが、その5日後に担任自身の口から「〇〇菌」が飛び出したのだ。
いじめの背後に親の偏見
司会の加藤浩次「勇気を奮って担任に相談して良かったと思っていたのに、菌呼ばわりですかあ」
近藤春菜キャスター「菌という言葉に敏感なのはわかっているのに、なんでこんなことをするのか理解できないし、ダメですよ」
山本由樹(雑誌編集者)「この子は偉いですよ。言うことをちゃんと言ってるし、自分の意思で学校へ行かないといってる。福島の子たちはそこらじゅうでいじめられてると思うが、絶対に声を上げないといけない。この子を見習って」
教委は福島から来たから「菌」と呼ばれたのではないと主張しているらしいが、背後に親たちの福島への偏見と無神経なささやきがあることをみな薄々知っている。