カジノをふくむ総合リゾート施設の設置を認めるIR法案が2日(2016年12月)、衆院内閣委員会で自民党や維新の会の賛成で採決が強行された。
司会の夏目三久「一攫千金の、いわゆるカジノ法案です」
この土日(3日、4日)にJNNが行った全国世論調査では、反対が55%、賛成は24%だった。世界では都市から離れたリゾート地に設置するのが普通だが、大阪や横浜などが誘致に名乗りを上げている。
車を質入れする20代若者
海外のカジノに詳しい静岡大の鳥畑与一教授は「カジノ周辺では常習者がギャンブル依存症になる確率が高いので、人口密集地には大型のカジノはつくらせない。さまざまな犯罪が増え、非常に危険です」と指摘する。
韓国の実状を見ると、ソウル近くのカジノは外国人専用で、市民も入場できるカンウオンランドは元鉱山の街にある。ギャンブル依存症ケアセンターが設けられ、「あさチャン!」が取材したときには10分間で6人が訪れていた。
街には質屋が軒を連ねる。金目のものを質入れして賭け金にかえるためだ。店主は「20代の若者が増えた。車を入れに来る人もいる」と話す。
沢松奈生子(元テニスプレーヤー)「現役時代にいろいろなところで見かけました。ギャンブルをやって飛行機に乗り遅れたり、賞金を注ぎ込んだりする選手もいたので、怖いイメージがあります。入場制限がされたこともあります」
法案成立急ぐ安倍内閣の事情
夏目「衆院の委員会は、たった6時間の審議でどうして採決したのですか」
龍崎孝(流通経済大教授)「安倍政権が東京五輪に間にあわせたかったんでしょう。来年の通常国会で審議するとなると、同じ委員会に天皇の退位問題がかかるので急いだのです」
天皇退位とギャンブル法案を同じ委員会でやるのはいくらなんでもということらしいが、だから議論しなくていいわけないだろう。