「10代の純愛」声もなく泣ける青春
楽な方に楽な方に流れていくのが大人の恋愛だとしたら、映画で描かれるのは、相手の欠点も丸ごと飲み込み、互いを傷つけあう、逃げ場のない「純愛」だ。
選んだ終着駅が違っても、同じ切符をもっている。目を閉じればよみがえる迫りくる崖と海と山の景色。光を集めてきらきら輝いていた肌。松明の向こうにチラチラとよぎる真剣な瞳。説明できない熱情が、10代の世界のすべてに波のように打ち寄せる。説明不足の感もないわけではないけれど、青春に言葉をこらした説明なんかいらない。断片的なシーンを重ねることで、一気によみがえってくる、「あの日のこと」。声もなく泣ける映画は久しぶりです
ばんふぅ
おススメ度☆☆☆☆