天皇陛下がこの夏、学友に電話で「退位」について語っておられたという。それも「恒久的な制度での退位を」と話は具体的。現在進められている有識者会議の検討内容ともふれあうものだ。これをまた学友がテレビに話すというのも、前代未聞。論議への影響はあるのだろうか。
学習院で幼稚園から高校まで同級生
これを明らかにしたのは、陛下と学習院で幼稚園から高校まで同級だった、明石元紹さん。陛下と同い年の82歳だ。「深夜に珍しいことなんですが、直接お電話をいただきましてね」という。7月21日(2016年)だった。「生前退位のご意向」の報道の1週間後、ビデオメッセージの2週間以上も前だ。
その内容は、皇室の歴史や新憲法を踏まえた深いお話だった。明石さんは、「明治以前の長い天皇の歴史の中では、生前に交代をするという話は、そんなびっくりするような話じゃないだろ、という言い方でした」という。
摂政についても消極的
「摂政」という制度についても話された。「昭和天皇が摂政をなさった時期があるんですけど、どうしても大正天皇を盛り立てようという勢力と昭和天皇に早く新しい時代を開いていただきたいという勢力が、半ば対立して国の意見が分かれたと聞いているから、摂政制度というのはあまりいいとは思っておりません、とおっしゃいましたね」
さらに「自分のことだけじゃなくて、象徴天皇を通す限りは、いつでも通用するものではないのか、というお気持ちだったと思う」。存命中の退位を恒久的な制度にすることを望んでおられた、と明石さんはいう。
FNNが11月に行った世論調査でも、「すべての天皇が退位できるように」70.3%、「今の天皇に限り退位できるように」22.3%、「退位を認めるべきでない」5.3%などだった。
司会の小倉智昭「陛下のお気持ちをどこまで汲み取るんですかね」