中国政府は韓流スターのテレビ出演を制限しているのではないか。爆発的人気の韓流ドラマ「太陽の末裔」の主役ソン・ジュンギの顔にモザイクが入れられ、今月8日(2016年11月)からは出演している携帯電話のCMも中国人俳優に差し替えられた。
台湾メディアが報じたところによると、「挑戦者連盟」に出演している韓流歌手ファン・チヨルの顔にもモザイクがかけられ、別の番組では突然降板が決まったという。世界的ヒットとなった「江南スタイル」を歌うアーチストPSYは、司会を務めた中国の音楽番組でモザイク処理をされ、出演シーンもほぼカットされていた。この番組ではほかの韓流アイドルにもモザイクがかけられていた。
韓国の高高度迎撃ミサイルシステム配備への報復
なにが起こっているのか。背景には韓国が北朝鮮の核とミサイルに対抗するために配備を決定した高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)があると見られている。THAADが配備されると、中国国内が丸見えになってしまうのだ。韓国のテレビ局JTBは「ミサイルシステムに対する圧力で、文化規制だ」と報道しているが、中国外務省は「(そんな話は)聞いていない」とトボけながら、「THAAD配備には断固反対する」と主張した。
中国が韓流番組をターゲットにしているのは、韓国のテレビ輸出額の第1位は中国で、韓流スターのキム・スヒョンは中国で家電のCMなど35本に出演している。ジャーナリストの福島香織氏によると「韓流文化を中国から締め出すことが一番の制裁となる」
中国の軍事施設丸見えになる恐怖
コメンテーターの吉永みち子(作家)は「制裁にしても、ボカシは別問題ですよ」といい、長島一茂(スポーツプロデューサー)も「文化やスポーツは民間外交で国境がないものでしょ。中国の国民だって韓流ドラマを見たいから見ている。もっと民意に配慮すべきですよ」
玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「中国はTHAAD配備が本当に嫌なんでしょうね。レーダーで1000キロ範囲内が見られてしまうと、軍事施設が丸見えになる。これによって中国の核戦略まで変わるかもしれないですからね」
吉永「民主化されつつある中国メディアから批判が出ることを期待しましょう」
文 バルバス | 似顔絵 池田マコト