京都市のホームページに載った奇妙な動画。保母さんと思しき扮装に、能面のようなメイクのダンサーが幼稚園児と滑り台をバックに踊る。「待機してない」「保育園があ、充実~」「1人も待機してないよ」「しかも保育士充実」「みんな仲良く通ってるう」とラップ風の曲が流れる。
京都市が3年連続「待機児童ゼロ」を達成したとアピールしたのだが、たちまち「ウソつきやな」「今すぐやめろ」と市民からツッコミが入った。
実は潜在的待機児童513人
京都市に住む橋元葉子さんは「ああいうの見せられるのは、失望もあるし、憤慨する」という。橋元さんは生後4か月の長女を4歳の長男と同じ保育園に入れたいのだが、空きがなく入れない状態だ。つまり「待機」なのだが、市のの基準だと「待機」に入らないのだ。
京都市には実際には保育園入園を待つ児童は513人いる。「職員は認識しているんですよ。たくさん待っていると」と橋元さんはいう。「ただ(待機児童の)定義には入っていないからゼロになる。私たちは、『ゼロって言わないでください』と言っているんですよ」
司会の小倉智昭が動画を真似て「待機児童はあ~ゼロじゃないの」と聞く。
内野泰輔アナ「3年連続ゼロは間違ってはいないんですけれども、京都はもう一つの数字を公表しているんです。それが513人なのですが、潜在的待機児童というのだそうです」
親が育休延長すると対象外
どういうことか。自宅近くの保育園を希望しているが、当たったのが遠方の保育園なので送迎ができないと断ったもの。保育園に入れないため親が育休を延長した場合は、「待機」にもカウントされないのだ。京都に限らず、どこでも同じらしい。
笠井信輔ニュースデスク「それでも自治体は、待機ゼロとアピールしたいわけです」
梅津弥英子キャスター「兄弟で同じところに入れないとかありますよね。この動画を見たら憤慨しますよ。こういうものを流すことで、問題解決の芽が削がれる心配があります」
菊川怜キャスター「弊害ですよ」
梅津「もっと潜在的待機児童を知ってもらいたいです」