東京は54年ぶり、11月の空に雪が舞っている。強行採決までして通したTPPも、トランプのひと言で潰れた安倍首相は、官邸から鈍色の空を見上げて「いうまいと思えど今日の寒さかな」と呟いているかもしれない。
AFP=時事が、トランプに敗れたヒラリー・クリントン前国務長官の得票数のリードが200万票を超えたと、23日(2016年11月)の米インターネットメディア「クック・ポリティカル・リポート」のまとめで明らかになったと報じている。
2000年にも民主党候補のアル・ゴアが共和党候補のジョージ・W・ブッシュを約54万4000票上回ったものの敗北したことがあり、今回で2度目である。ニューズウィーク日本版は、トランプの勝利はアメリカ独特の「選挙人制度」のたまものであり、しかも有権者の45%しか投票しなかったから、トランプ支持は25%前後にすぎないと報じている。<そろそろ時代遅れな選挙人制度を廃止して、直接投票に変える潮時ではないか。この選挙が国民投票の形で行われていれば、結果はまったく違っていた>という。
アメリカ人の4人に1人しか支持を明らかにしていないトランプに、何をあわてたのか、安倍首相は50万円もする本間ゴルフのドライバーを捧げ持って、会いに飛んでいった。そこで何が話し合われたのか。会談後、安倍首相は「信頼できる指導者だ」とリップサービスしただけで、それ以上は語らない。
週刊文春で「安倍に最も近いジャーナリスト」といわれる山口敬之氏がレポートしている「非公開会談の全内幕」を期待しないで読んでみた。目新しい話は、冒頭安倍が<「アラベラさんの『ピコ太郎』、本当に可愛いですね。日本でも大人気ですよ」>といったというところだけである。
アラベラとはトランプの長女の娘、トランプの孫である。これで座を和ませた安倍は、その後、例のドライバーを渡し、<「数回ワッグル(小さい素振り)をしたトランプは『これはいい』と繰り返したという」(山口氏)>
安倍を見送る途中でトランプは「会談の内容は一切外へは漏らさないようにしよう」といい、安倍も同意したという。実はこれには前段があった。この会談を事前に知ったホワイトハウスから「待った」がかかったというのだ。来年1月(2017年)まではオバマが大統領だ。あたかも首脳会談であるかのような印象を与えることは避けてほしいということだったという。これは当然だろう。そのため安倍がたまたま立ち寄ったという形をとったという。
会談では、トランプが<安倍の外交経験を高く評価している>(同)ため、ロシアのプーチンやメルケル、習近平などの人柄や特徴について尋ねるシーンがあったというのだが、こんなことは隠すことではなかろう。在日米軍の撤退や費用負担の増額などの話が初対面で出るはずもないから、話さないのではなく、話すことがゴルフ談義以外にないのであろう。推測するに、TPPからの離脱については告げられたのではないか。会談直後の21日に、「来年1月20日の就任日にTPPからの離脱を通告する」とトランプが明言したからだ。
日本のトランプ報道はこのような安倍の提灯を持つ記事か、週刊現代のように、トランプはビジネスマンだからアメリカの景気が上向き、その風が日本にも吹くかもしれない。「トランプバブルでこうして儲けろ」という根拠薄弱な記事しかないのは、今さらではあるが、情けない。
おまけに、週刊現代は北方領土2島返還は怪しくなってきたが、トランプ景気に乗って1月解散を安倍は考えていると報じている。たしかに円安が進み、株価も少しは上がってきているが、これはよくあるご祝儀相場であろう。トランプが正式に大統領に就任すれば、<彼は共和党の掲げる富裕層向け大幅減税案に乗るだろう。自分を支持してくれた低所得者層が頼りにする社会福祉給付の縮小にも同意する可能性が高い>(ニューズウィーク)。そうすれば国内からさらに大きなトランプ批判が巻き起こるのは間違いない。
週刊新潮によれば、トランプ側近には反イスラム、不法移民強制送還支持、白人至上主義で「KKK」を容認するなどの超保守、偏狭な人間が多く、<暴言失言のデパートのような政権>(週刊新潮)になる可能性があるという。
弱腰と批判されたが、オバマは世界平和について能弁に語った。トランプ、プーチン、習近平は言葉より力を信じる腕力政治家である。日本のいうことなど耳を貸さなくなると思うのだが。
観客が帰り始めた「「小池劇場」五輪見直し尻すぼみ、豊洲移転見通し立たず、保育所問題手つかず・・・
小池ブームが急速に萎もうとしている。豊洲移転にハッキリした方向を示せず、五輪のボート、カヌー・スプリントの競技場を「海の森水上競技場」から宮城県登米市の「県長沼ボート場」へ変更しようという「思いつき」も見送られる見通しが濃厚になってきた。
そこで小池都知事が考えていることが2つあると、週刊現代と週刊文春が報じている。週刊現代は、苦肉の策として、小池都知事が東京五輪を返上する「奇策」に出るのではないかというのだ。これには開いた口がふさがらなかった。もちろん、五輪をやるかどうかの決定権は都知事にある。私のように東京に五輪はいらないという声もかなりあるのは事実だろう。
石原慎太郎や森喜朗に一泡吹かせたいという強い思いが小池都知事にあることもわかる。過去に、アメリカコロラド州のデンバー市が、冬季オリンピックをカネがかかりすぎるということで返上したことがあるそうだ。返上しても違約金は1000億円程度だそうだから、3兆円に比べればはるかに少ない。だからといって返上することもあり得るとは、私には到底思えない。
週刊文春は来年夏に行われる都議選に、反小池の都議たちの選挙区に「刺客」を立てて、追い落とそうと考えていると報じている。ご丁寧に42選挙区60人の当落予想をやっているが、このままいけば大本の小池人気が夏までもつとはとても思えない。
都議会のドンの内田茂やその取り巻き連中を「敵」に見立てて成敗するのはいいが、それがために手が付けられていない保育所問題などの福祉政策に遅れが出たのでは、何が「都民ファーストだ」ということになるのは必定。小池都知事と都民とのハネムーン期間は終わりに近づいている。
HIRO忙しすぎてご不満の上戸彩「離婚しても子供だけは絶対に私が育てる」
弱り目に祟り目という諺はフジテレビにこそよく当てはまる。フジテレビの看板音楽番組「FNSうたの夏まつり」の打ち上げで、最高責任者の夏野亮氏が2人のレコード会社の女性社員にセクハラしたと、週刊文春が報じている。
もともと酒癖と女癖が悪かったそうだが、<「打ち上げでお酒の入った夏野さんは、A社の女性の胸を触り、さらにB社の女性の陰部をしつこく触ったのです」(レコード会社社員)>
その場では、力関係から彼女たちも我慢したらしいが、これを知った両レコード会社がフジテレビに厳重な抗議を行ったという。当然である。フジは夏野に事情を聞き、後日、取締役政策局長が両社に謝罪に出向いたというから、本人も事実を認めたのであろう。両社もこうした謝罪の事実があったことを認めている。しかし、週刊文春によれば、彼はいまでも現場に顔を出し、<未だ『お咎めなし』だという>
こうした驕りとケジメのなさが、フジの急激な凋落の原因の一つになっていることは間違いないようである。
先に女性セブンで報じていた上戸彩とHIRO夫婦の『離婚の危機』だが、それを週刊文春ともあろうものが後追いしている。しかも新しい事実はない。先日ここでも書いたように、HIROが忙しすぎて、上戸が不満を持っていて、彼女が親しい知人に「万が一離婚することになっても、子供だけは絶対に私が育てたいから」と相談したということから、離婚の危機となったようだが、それから危機が進展したわけではないようだ。
上戸が31、HIROが47。夫婦がともに売れっ子だったりすると、家で話す時間がない、子作りがうまくいかないなど、不満が膨らみ破局へ向かうことはあるとは思うが。
上戸は幼いときに両親が離婚したため、温かい家庭に憧れているというから、逃げられないようにしたほうがいいと思うがね、HIROさん。