朴槿恵大統領の退陣を求める韓国市民のデモは、燎原の火のように広がっている。おととい19日(2016年11月)にもソウルで18万人(警察発表)が集まったが、出店や案内などさまざまなスタイルに進化していた。
駅から会場までの路上に手製の案内シールを貼る高校生がいた。「ボランティアです。状況があまりにも話にならないので参加しました」と阿部祐二リポーターに話す。
デモ参加者はバス半額
ソウルから300キロ離れたヨンアムからバスで5時間をかけて来たという女子高生は、「今の政権を打倒したい」と言い切った。デモ参加のためのバスが出て、料金は通常の半額の約900円で乗れる。こうしたバスには高校生が目立ち、3年生の女子生徒は「大統領に下野してほしい。絶対に消えないロウソクがあることを知らせたい」と力を込めた。
ソウルの会場には、退陣要求の意思を示す紙コップつきのロウソクが90円で売られ、ただで配る人もいた。「下野しろ」と書いた座布団、光スティック、防寒コンロがどれも180円、毛布が940円で売られている。「パククネ辞め豆乳」と名づけた投入パック2000個を無料で配る人は「辞めるまで配り続ける」という。
募金活動をしていた高校生は、集めたカネで水や食料を買って配るそうだ。不足するトイレを参加者に解放するオフィスビルもあった。退陣を求めるダンスに興じる人たちもいた。
支持派も集会!支持率は依然5%のどん底
一方では、「下野反対」を掲げる朴大統領支持の集まりもあり、年配者を中心に1万人が参加した。朴大統領への支持率は3週連続して5%にとどまっている。
司会の加藤浩次「デモは過激というより、家族連れも入って平和な感じもしてきました」
橋本五郎(読売新聞編集委員)「デモがなにか生き生きするのは、あまり幸せなことじゃないなあ」