飼いネコ80匹!捨てるに捨てられず家は占領、家計は破綻・・・急増する多頭飼育崩壊

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   ペット産業市場が1兆4000億円を超えるなど、空前のペットブームと言われるなかで、自分の生活が破綻するまでペットが増える「多頭飼育崩壊」と呼ばれるトラブルが相次いでいる。近所からの苦情も絶えず、全国で年間およそ1800件もあり、「増加の一途で対応が追いつかなくなっています」と小郷知子 キャスターが取り上げた。

飼い主は「不妊・去勢手術代が高くて受けさせられない」

   4人家族が暮らす首都圏の家では、6年前にもらってきた2匹のネコが80匹になってしまった。家族の生活空間はネコに占拠され、壁はボロボロだ。初めもらわれてきたオスとメスは一家にすぐにとけ込み、家族の会話も弾んだ。不妊・去勢手術はかわいそうだとそのまま飼っていると、5年間で24匹に増えた。「さすがにヤバいと思いましたが、すごい手術代が高い。1頭3万円とかしちゃう」(飼い主)と、結局、不妊・去勢手術はしなかった。だれかに譲ることも、「(ネコは)自分の家族だと思っているので、その家族を切り離すのがすごい嫌だった」(飼い主)

   80匹ともなると、餌代は月8万円かかり、経済的にも大きな負担だ。近所からは臭いなどの苦情が寄せられている。この家はボランティアや動物保護団体に助けてもらって衛生状態を改善し、ネコの不妊・去勢手術を行ったが、衰弱して身動きが取れないネコもいた。

さみしさから増やしてしまう一人暮らしの高齢者

   ネコの不妊・去勢手術のサポート活動をしている「どうぶつ基金」の佐上邦久・理事長はこう話す。「ネコを愛する気持ちから(数を)増やしてしまうんですが、結局はネコも自分も家族も不幸なことになってしまうんです」

   一人暮らしの高齢者がさみしさから何匹ものペットを飼い、にっちもさっちもいかなくなってしまうケースも増えている。動物保護団体「アニマルレフュージ関西」では、多頭飼育崩壊を起こした高齢者から引き取る動物が増えているという。面倒が見きれない、夫婦で老人ホームに入ることになったなどの理由だ。

   「お年寄りで1人暮らしの方が多い。それはちょっとさびしい、友達いないし、イヌ、ネコ、ウサギとかを飼います。日本ではどんどん高齢の方が増えています。このケースはこれから増えると思います」(エリザベス・オリバー代表)

NHKクローズアップ現代+(2016年11月15日放送「ネコに家が壊される~広がる ペット多頭飼育崩壊~」)

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