最低と言われた米大統領選は、大方の予想に反して「暴言王」ドナルド・トランプ(70)が勝った。日本時間のきのう9日(2016年11月)午前11時半、ニューヨクタイムズが「トランプ勝利」の可能性を打ち出した。激戦区のフロリダ(選挙人29)、オハイオ(同18)、ペンシルベニア(同20)で勝ちを占め、民主党の地盤のウイスコンシン、ミシガンも取った。これで流れが決まった。
勝利宣言でトランプは「今こそ分断の傷を癒していきましょう。共和党、民主党支持者、無党派の皆さん、われわれはひとつの結束した国となるべきだと言いたい。私は、すべての国民のための大統領になる」と語った。選挙戦の調子とは大違いだった。
敗れたクリントンは「これはわれわれが頑張って望んだ結果ではない」と悔しさをにじませた。オバマに指名争いで敗れて以来まさに雌伏10年、初の女性大統領は実現しなかった。
トランプタワーの前では「バカヤロー」
ニューヨークのからフジテレビの川原浩揮ディレクターが実況した。「決戦から1日がたって、冷たい雨が降っています。トランプタワーの前にいるのですが、時折、民主党支持の人が『バカヤロー』なんて言って通り過ぎていきます」
川原は新聞を見せながら「『ホワイトハウスが、ホラーのハウスになった』と見出しを付けています。みんな、民主主義は終わったと言っていました」
司会の小倉智昭「いや、民主主義があるからこういうことになったのでしょう」
クリントンが勝つと見ていた石澤靖治・学習院女子大学長、トランプが勝つと言っていたジャーナリストの木村太郎氏が、番狂わせの原因などを解説したが、一言で言えば、クリントンの側が負けるなんて思っていなかったことだという。今回はこれまで選挙に行かなかったような層をトランプが掘り起こしたというに尽きるのではないか。むしろ戸惑っているのはアメリカ人のようだ。