アメリカ次期大統領にドナルド・トランプが当選したことで日本にどんな影響があるのか、石破茂・元防衛大臣、外交ジャーナリストの手嶋龍一氏、ロバート・キャンベル東京大教授の3人に聞いた。
手嶋氏は「僅差というよりトランプ圧勝ですよね。日米同盟を見直すと発言した段階で、東アジアに戦略的空白が生じます。もう不安が始まっている」と分析した。
ロバート・キャンベル氏は「米国内でも、どう政府を作るかに空白が生じています。保守が崩壊してしまった。共和党をどうするのか」と話し、移民に仕事を奪われたという白人層の怒りや古き良きアメリカへの思いを勝敗のポイントにあげた。
石破氏は「選挙で何があっても驚いてはいけない。日米同盟とは何なのか、正面から日本が語るべきだ」と主張した。
いまでも在日米軍駐留経費75%、2000億円を負担
トランプは「米国は日本を守るのに大金を使っている。日本はもっとカネを払うべきだ」とぶち上げてきた。日本は米軍駐留経費の75%にあたる年間2000億円を出しているのだが、もっと出せと言ってくる可能性がある。石破氏は「金でカタがつく話ではない。こんなに払っているとは言わないほうがいいでしょうね。アメリカの戦略にとって、日本の役割がどうかという問題です」と話す。
トランプが離脱を主張してきた自由貿易のTPP(環太平洋パートナーシップ協定)については、「このままスタートとは考えにくくなった」(石破氏)、「仕切り直しですね。考えるいいチャンスだと肯定的にとらえるしかないですね」(手嶋氏)という。
政治・外交経験ないから白紙から練り直すチャンス
今後のつきあい方をフリップに出してもらうと、手嶋氏は「真の東アジアの盟友はニッポンだとアピール」、石破氏は「逃げず、ごまかさず、正面から当たる」と書いた。石破氏は「政治的経験がないトランプ氏だからこそ、白地からきちんと主張して理解してもらわなければならない」
司会の加藤浩次「そういう意味ではチャンスと考えることもできますね」