タイトルからもうふざけている。日本テレビ系の人気ドラマ「家政婦のミタ」のパロディというわけだが、その「家政婦のミタ」ももともとはテレビ朝日系の「家政婦は見た!」をオマージュしたものだとすれば、1周回って元に戻ってきたということになる。
ストーリーは単純明快である。「むすび家政婦紹介所」の家政婦・三田園薫(松岡昌宏)は女装をした『家政夫』で、料理、洗濯、掃除とあらゆる家事をプロフェッショナルとしてこなしながら、その家庭の裏にはびこる「根深い汚れ」を暴く。
タイムリーな話題組み込む脚本のうまさ
11月4日放送の第3話の舞台はとくやまグループ社長宅だ。夏木マリ演じる「家政婦総取締役」春日井福子は先代社長の時代から徳山家に仕え、現社長の徳山康介を生まれた時から世話をしていて、「かーさん」と慕われ、家の中のことはもとより、会社の経営に関する決定事項にまで口を出す絶対的権力を持つ。そこに三田園が派遣され、福子と三田園のバトルが繰り広げられるというものだ。
とくやまグループは徳川幕府、徳山康介は徳川家光、春日井福子は春日局(お福)を想起させる。本家「家政婦は見た!」も華麗なるデザイナー一族や名門茶道家元相続争いなど、実際に起こった事件を模したような作品が多く見ごたえがあったが、そういうエッセンスもちゃんと入れているのはさすがだ。
わかる人はより楽しめるし、わからなくても楽しめるよくできたドラマとなっている。脚本は「半沢直樹」の八津弘幸である。第4回の予告編を見たが、「後妻業」がテーマとなっている。