昨年(2015年)、移住促進のPRムービーで、地元方言をフランス語のように使って話題になった宮崎県小林市が、新しいPRの動画を作った。女子高生の発案で、土地の人の温かさを伝える内容だという。題して「サバイバル下校」
突如おばあさんが登場してしゃべりまくり
女子高生たちがこそこそと物陰を伝って小走りに家路を急いでいる。木の上に見張り役がいて、口笛と手信号で「敵はどこに何人」というような合図を送る。異形の男がいて、これを巧みに避けて、藪の中をほふく前進、忍者よろしく水中に潜ったりもする。
ススキの穂、豊かな緑をたっぷりと見せて、ようやく家に帰った。「着いた」と安心した目の前に、おばさんが立ちはだかる。一瞬の緊張の後、「どうも」と挨拶をする女子高生に、おばさんの笑顔が返ってきた。途端に始まるおしゃべりが止まらない。
やがて西の山に美しく夕陽が沈んで、現れた文字が「1度捕まったら、逃げられない」。最後に「スーパー・フレンドリー・タウン」だってさ。
企画・演出・出演・撮影すべて学生
県立小林秀峰高校の萩原景子さん、藤元友茉さん、北ノ薗遼さん、田村彩さんの4人のアイデアだという。いったん知り合いに出くわすと、なかなか話が終わらないという土地柄を、面白おかしくシナリオに仕立て上げた。出演ももちろん高校生、ロケの場所もすべて学生が選んだ。企画から完成まで5か月かかったという大作だと。
司会の小倉智昭は「話好きで捕まっちゃうんだ。人の良さはわかるんだけど、観光に行って、人に捕まったら大変なことになるってこと?」
遊び心もいっぱいだし、YouTubeにだって載るんだろうし、面白い時代だ。