地下鉄工事費ケチった?博多・陥没事故!カネかかる「軟弱地盤シールド工法」不採用

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   福岡・博多駅前の大規模陥没現場付近では、過去にも2回同じ様な事故が起きていた。今回の事故は地下鉄の延伸工事の影響と見られ、地下26メートルでナトム工法と呼ばれる掘削作業を行っていた。

   8日(2016年11月)午前5時ごろ、トンネル上部から水が漏れだしたため作業を中断し、作業員らが現場を離れた直後に陥没が起きた。陥没した地下は上から水を含んだ砂層で、その下に水を通さない粘土層、さらに岩盤層がありトンネルの掘削はこの岩盤層で行われていた。

   都市トンネル工学が専門の早稲田大学の小泉淳教授は次のよう陥没の原因を指摘する。「掘削していたところの頭の部分で粘土層が破られ砂層に当たってしまい、一挙に水と土がトンネル内に流れ込んだのでしょう。このため砂層に空洞ができ、地表部分の土が自分の重みでドーンと落下したと思います」

   福岡市は普通の土よりも固まりやすい流動化処理土を投入し埋め戻す作業をしているが、完全に埋め戻すには4日~1週間はかかるという。

安いが固い地盤向きだったナトム工法

   藤森祥平アナ「きのう8日に速報でお伝えしたときには、こんな大きな事故になるとは思いませんでした」

   司会の夏目三久「まだ町が動き出す前で、ケガ人がいなかったのが何よりでした」

   竹内薫(サイエンス作家)「過去の経験から、この地域は地盤が軟弱であることはわかっていたはずですよね。専門家の意見なども聞いていたでしょうが、これだけの事故になったのは大問題ですよ。ナトム工法は固い地盤を掘り進む工法で、軟らかい地盤にむいているシールド工法だったら事故は起こっていなかったかもしれません」

   ナトム工法はシールド工法の約半分の費用で済むのだという。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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