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「名古屋ぎらい」都市ブランド・イメージ最下位の火付けはタモリ

   週刊ポストがやっている長生きと食い物の相関関係の特集も新味はまったくないが、高齢者はここだけは心しておいたほうがいい。70代以降になったら、病気予防ではなく、老化防止の観点から何を食べるべきかを考えろという点だ。

   年をとると体力が落ち、食事の量も落ちるから、骨や筋肉、血管が弱まる。それを補う食事として、米と肉を食べろという。100歳長寿の人たちは天ぷら、カツ、すき焼き、寿司など高カロリーなものを好んで食べているそうである。

   幸い私の食欲は衰えていないから、この時期、すき焼きで日本酒といきたいね。肉は高いから肉抜きで・・・。と思ったら、葉物がバカ高い。春菊280円、白菜650円。給食を取りやめた小学校も出ている。<三重県鈴鹿市立の全30小学校と13幼稚園が今年度、給食を2日間中止する。野菜価格などの高騰が理由だ。安い食材に切り替えて給食を続ける自治体が多い中、鈴鹿市は「安全面を重視」して判断したという>(11月4日asahi.comより)

   貧しいヤツは肉はもちろんのこと、野菜も食べるなということか。然りしこうして我が家のすき焼きは、焼き豆腐とタマネギ、シラタキに豚の三枚肉という『布陣』になったのであった。

   ところで、嫌われる都市というのがある。井上章一氏が書いた「京都ぎらい」は大ベストセラーになったが、これは愛憎半ばするから売れたのである。誰かが「名古屋ぎらい」などという本を出したら見向きもされないのではないか。週刊朝日によれば、名古屋市がインターネットで国内8主要都市の「都市ブランド・イメージ調査」を実施したら、トップの京都が37・6ポイントだったのに、名古屋はわずか1・4ポイントで、ぶっちぎりの最下位だったそうだ。

   <名古屋のネガティブイメージは、1980年代にタモリが「名古屋人はエビフライをエビフリャーと言う」などと嘲笑したネタをルーツとする。「名古屋弁はみゃーみゃー言ってうるさい」「田舎臭い」などと、さんざん揶揄され、土壇場で誘致に失敗した88年の「名古屋五輪」の悪夢も、外国人タレントのコンサートの『名古屋飛ばし』も、コンプレックスに苛ませるに十分だったのだろう>(週刊朝日)

   豪華なモーニングセットで名高い喫茶店文化も、みそかつ、ひつまぶしも名古屋の名を高めるまでにはいっていない。さらに名古屋のイメージを堕としている(失礼!)河村たかし名古屋市長は、名古屋は戦時中は軍需都市だったため、都心部はほとんど焦土と化した。戦後は消失した路地を以前のように復興することなく広い道路をつくることにしたため、名古屋は人工都市で風情も情緒もなくなってしまったという。地元で有名な学者が名古屋を「消毒都市」とネーミングしたそうだ。

   トヨタのおかげで産業都市になり金儲けでは圧倒的に日本一になったが、では名古屋の魅力とは? と考えると、たしかにあまり思い浮かばない。私は中村区にある「中村遊郭跡」が好きだが、今はソープランドばかりになってしまっているのが残念だ。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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