「レコード大賞」もうやめたら!?これまでも指摘されていた「裏金や審査員癒着」疑惑
先週、週刊文春が「三代目エグザイル弟分JSBはレコード大賞を1億円で買った!」と報じたが、今号には「レコ大のドンが謝罪告白」とある。あの周防郁雄氏が事実を認めて謝ったのかと思ったら、ドンはドンでも日本作曲家協会会長でレコ大の最高責任者・叶弦大氏(78)だった。それも、「このような事態になったのは大変遺憾で、主催者としては大変申し訳なく思っています」と政治家のような答弁である。
これでは、こうした事実があったことを認めたのではなく、そうした報道がなされたことで大騒ぎになったことを謝罪しているようなコメントとも読める。週刊文春の追及に叶氏は、<「ここ数年、裏金や審査委員の癒着を指摘する怪文書が協会に何通も届いていたし、私の耳にも噂は入っていた。しかし、これほど高額な金が動いていたとは知らず、大変驚いている」>と、どこか他人事のようである。
さらに、<「TBS(レコ大の後援社=筆者注)からまだ連絡がなく協会も困っている。このような証拠が出た以上、放置して置くわけにはいかない。伝統あるレコード大賞が汚されてしまった。当事者には、どうしてくれるのかと言いたい」>と、矛先をTBSに向け、自分は被害者面をするつもりのようだ。
叶氏も昨年のレコ大審査が始まる頃に、赤坂の料亭でエイベックスの幹部たちと会い、三代目にレコ大グランプリをとらせる相談を受けていたことを週刊文春に暴露されているのだから、同じ穴の狢といわれても致し方なかろう。
週刊文春によると、これまでのレコ大最大の危機は1989年だったという。グランプリが確実視されていた美空ひばりの「川の流れのように」をWinkの「淋しい熱帯魚」が逆転したが、本番当日の審査にTBS関係者が25票もの組織票を投じた疑惑が持ち上がり、レコ大中止が取り沙汰されるようになってしまった。
そこで事態を収拾し、大きな発言権を持ったのがバーニングの周防氏だったという。しかし、周防氏や彼と親しい大手事務所・エイベックスが力を持ちすぎたため、週刊文春によれば、95年から昨年の三代目まで21回行われたレコ大の大賞は、<実に十四回の大賞をエイベックス系が独占してきた>そうである。
今やレコ大は「エイベックス大賞」「バーニングの忘年会」と揶揄されるようになってしまったと、元レコ大関係者が話している。周防氏は週刊文春の報道に怒り心頭で、エイベックスとLDHに「必ず情報源を探せ」と厳命したそうだ。
芸能界のドンの前にひれ伏すテレビ各局は、この問題をどこも扱わず沈黙したまま。TBSも週刊文春の再三の事実確認に「お答えすることはありません」の一点張りだそうだ。
以前、大橋巨泉氏がやっていた番組に「こんなモノいらない!?」というのがあったが、レコ大はまさにいらないモノの代表であろう。少なくとも今年は、週刊文春が突きつけた1億円の請求書の事実関係をTBSとレコ大側が徹底的に検証して公表し、音楽ファンの判断に委ねるべきである。それができなければレコ大は中止する。それぐらいのことをしなければ、視聴者から見捨てられるのは必至だろう。