豊洲新市場の消えた盛り土問題で、小池都知事は1日(2016年11月)に会見を行い、「盛り土なし」を決めた当時の幹部の責任を指摘し、「懲戒処分の手続きを速やかに行うよう指示した」と語った。責任を問われたのは、2011~12年の市場長で現副知事の中西充氏、09~12年の市場長だった岡田至氏、元管理部長で現オリンピック・パラリンピック準備局長の塩見清仁氏ら8人だ。
「知らなかった」「報告なかった」は通用せず
小池知事は「マネジメントの欠如、責任感の欠如、前例踏襲、チェック不足、意思決定プロセスの不備、職種間などでの連携不足など、残念ながら、あげていったらキリがない」と断じた。
岡田、中西両元市場長は「盛り土なしになったことを知らなかった」「報告を受け取っていなかった」と釈明していたが、小池知事は「市場責任者であり、盛り土がないことは知らなかった、報告を受けていなかったと、それぞれおっしゃっているんですけど、それで済まされるというものではありません」と突き放した。
OBばかりで懲戒免職難しい・・・退職金一部返還で『一件落着』?
しかし、当時の最高責任者である石原慎太郎元都知事の責任については言及はなかった。コメンテーターの竹内薫(サイエンス作家)は「石原元都知事の責任がぜんぜん追及されていないのは、ちょっとモヤモヤかなと思いますね」と話す。
OBがほとんどで懲戒処分などはできるのか。都庁に16年間つとめた経験のある中央大・佐々木信夫教授は「懲戒処分は現職の職員に対しては懲らしめる、戒めるという処分ですが、OBの処分は制度上難しいですね。退職金の一部返還をお願いするしか方法はないと思います」と指摘している。