韓国・朴槿恵大統領の機密漏えい事件で、31日(2016年10月)に崔順実容疑者が出頭したソウル中央地検の前は、大混乱となった。TBSソウル支局の上土井剛記者は「外国人記者を含めた300人以上の報道陣が詰めかけたところへ、市民団体のデモ隊が押し寄せ、怒号やら悲鳴が飛び交いました。国民の怒りの裏返しなのでしょう」
もみくちゃにされた崔に報道陣から「何か言ったらどうですか」と声がかかり、ようやく口を開いて「死ぬほどの罪を犯しました。国民のみなさん許してい下さい。申し訳ありません」と絞り出すような声でしゃべった。ソウル中央地検は11時間におよぶ事情聴取を行ったが、崔は容疑のほとんどを否認し、証拠隠滅の恐れがあるとして緊急逮捕に踏み切ったという。
12月上旬の日中韓首脳会談出席できるのか
四面楚歌の朴大統領は首席秘書官ら側近の大半を刷新することに決めたが、この程度ではとても乗りきれそうもない。韓国メディアは「日程をすべた空白にした大統領は機能不全に陥っている」と伝えている。
龍崎孝(流通経済大学教授)は次のように見る。「韓国メディアは12月上旬にも予定されている日中韓首脳会談に出席できないのではと報じています。菅義偉官房長官はいまのところ影響ないと話しています。会談が行われたとしても、北朝鮮の核開発問題など突っ込んだ意見の交換はできるかというと、それは望めない状況になりつつあります。心配なのは慰安婦問題の蒸し返しが起きる可能性があるということです」
慰安婦問題は日韓政府の間で、これ以上後戻りをしないことで合意したが、蒸し返すことによって批判をかわそうとするのではないかという懸念だ。
モンブラン