合否のたびに入り混じる高揚と落胆と嫉妬
高揚と不安が入り混じった疾走感の強いテーマ曲、合間合間に挟まれるダンスシーンがしっかりと決まり、場面場面は大学構内や企業内という日常の延長ながら、シュウカツのもつ「非日常感」が全体を通してたたみかけてくる。
「食うために働く」「自己実現のために働く」「世界の貧困のために働く」。動機はひとそれぞれで、そこに貴賤や優劣はない。わかっていても、合否がつくたびに自分とは違う価値観を異物として攻撃してしまいたくなる。
多くの大学生は、シュウカツを通して高校生のころの「何にでもなれた自分」から、「何かになりたくて、それすらわからない自分」に向き合うことになる。「桐島、部活やめるってよ」の頃、無敵だった私たちは、自分の脆さを認めた分だけもう一度強くなる。原作に忠実な良作でした。
おススメ度☆☆☆☆