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殺してやりたい!厚労省の悪知恵「年金召し上げ政策」夫婦で年間14万2000円減額

   腹の立つことばかり多い昨今だが、週刊ポストが報じている、厚労省が仕組み、国会で「秘かに」進んでいる年金法改正には怒りを超えて殺意まで湧いてくる。週刊ポストによれば、この改正案は(これは改悪案と呼ぶべきものだ)、<物価が上がっても下がっても現役サラリーマンの平均賃金が下がれば年金生活者の受給額をマイナス・スライドさせるという制度>なのだという。ついに、<「政府はいよいよ年金生活者が現在受け取っている年金を召し上げるという禁じ手に踏み込んだ」(社会保険労務士の北村庄吾氏)>

   悪質なのはこの重大な制度改革の内容をひた隠してきたことである。これが成立すると5年後から減額ルールが適用される。行政書士でもある民進党の井坂信彦代議士に試算してもらうと、夫婦2人で月額約22万円7000円(年間約271万円の標準モデル世代)で、「年間約14万2000円」の減額になるそうだ。

   <「世代間で支えるという年金制度がもはや完全に崩壊しており、年金生活者への支払いを多少減らしても、現役世代の年金が増えるというのは幻想でしかない。(中略)厚労省も苦し紛れに『いま高齢者の年金を減らせば、現役世代の年金はどんどん増える』と世代間対立を煽って、とりあえず年金生活者と現役世代が年金批判で結束するのを防ごうとしている」(北村氏)>

   さらに呆れるのは、週刊ポストが厚労省年金事業管理課に「高齢者の年金減額は違憲ではないのか」と質したところ、こう答えたという。<「マクロスライドの裁判は始まったばかりで準備書面はこれからですが、年金制度はもともと受給額が下がることが想定されている制度だと今後主張しようと検討している」>

   どの法律にそんなことが書いてあるのかと聞き直すと、平然と「そういうことは書かれてない」と答えるのである。書いていないが、われわれお上がそう思えばそうなるのだという呆れ果てたいい分である。

   日本の年金は100年安心だといったのはどこのどいつだ。株に年金基金をジャブジャブ注ぎ込んで大損し、それを知らん顔して年金をどんどん減らすというのは、犬畜生にも劣る輩である。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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