「ニュースを聞いたら、栗原敏勝って名前が出て、もう頭が真っ白になりました」
おととい23日(2016年10月)、宇都宮市で3件の連続爆発で自殺を図り死亡した元自衛官の栗原敏勝容疑者(72)の妹が語る。栗原とはどんな人物だったのか。
「小さい頃は将棋が強かった。それから、昔のハム(HAM)って無線、知っていますか。あれを自分で作っちゃったんですよ。中学時代にアマチュア無線の国家資格をとって。そういう機械ものが好きだったんです。自衛隊の幹部候補になるんだって言って、候補生の試験を受けて、幸せになるもんだと思っていたんです」
栗原は自衛隊に入隊後、各地を転勤し結婚して3人の娘を持った。93年に長女を除く家族4人で勤務先の宇都宮に引っ越した。退官したのは99年、55歳のときだった。在任中は爆発物を扱う部署にいたことはなかったという。
「よく『死ぬ』っていう言葉が出てきました」
妹によると、家族が変わったのは娘の病気が原因だったという。「(娘について)敏勝は医者にいくようにと言ったのに、奥さんは病気ではないと断り、宗教の方に入って行った。これが亀裂の始まりでした。けんかになり、暴力を振るうようになって」。妻は耐えられなくなり離婚訴訟に発展し、去年(2015年)秋に敗訴が確定した。
それ以来、異常な言動をするようになった。「よく『死ぬ』っていう言葉が出てきました」と妹も心配していた。今年(2016年)3月には先祖の墓で「先祖のお許しに願うために花をあげました」という動画を投稿していた。今月(2016年10月)のブログには「定年後に稼いだ老後の資金は全て裁判所に差押没収された。生きる道を絶たれた」と訴えている。
司会の加藤浩次「家庭内のトラブルから裁判に発展して負けてしまった。自分は悪くないないんだと、社会のせいにどんどんしていったと見えます。3か所の事件を起こし、3人の方に重軽傷を負わせています」
文
一ツ石| 似顔絵 池田マコト