パレード狙った無差別殺傷? 宇都宮連続爆発の「自暴自棄」

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   栃木・宇都宮市で起こった連続爆発で自殺した元自衛官は、祭りのパレードを狙って無差別殺傷を目論んでいた疑いが出てきた。家庭内のトラブルから、家族を恨み、裁判所を恨み、振り向いてくれない社会を恨み...。しかし無差別殺傷の夢想は明らかに異常だ。

   元自衛官、栗原敏勝容疑者(72)は、ユーチューブに沢山の動画を残していた。そのひとつ、2016年8月に故郷の千葉の墓参りの画像では、「すいません。先祖にお許しを願いました」と言っていた。一種の決意表明だったのか。

爆発物からは金属片やビー玉など見つかる

   おととい(10月23日)、午前11時半を挟んで3件連続した爆発事件は、いずれも栗原が起こしたものとみられる。まず宇都宮市内の自宅に放火。ついで8キロ離れたコインパーキングに止めた自分の車を発火させ、さらに250メートル離れた城址公園のベンチで、抱えていた爆発物を起動して自殺した。

   ベンチは座席部分が見事になくなり、栗原自身は胸や腹を挫滅し、足がちぎれるなどして死亡したが、周囲にいた男性2人と中学生が飛び散った金属片などで重傷を負った。

   発火装置がどのように作動したのかは明らかでないが、燃えた車も公園も、この日行われていた城址公園の祭りの300人ほどのパレードが、ちょうど差し掛かる予定の時間だった。パレードは幸いなことに予定よりも遅れていて被害はなく、公園にいた人が巻き添いになったらしい。

   警察のその後の調べで、爆発があった公園のベンチ周辺では、半径40メートルにわたって金属片やビー玉などが見つかった。また燃えた自宅跡からも、大量のクギが見つかっており、ともに爆発で人を殺傷する目的があったとみられるという。

   また、フェイスブックにも、「家族も家庭も財産も失い、すべて失う」「栗原敏勝は、社会的に絶対ゆるされない行為を持って人生を閉じる」(3月)と書き込んでいた。別に、「大勢の通行人を見て、歩行の列に車のアクセル全開で突っ込み昇華しようと何度も考えた」と、8年前の秋葉原の無差別殺傷事件を彷彿とさせる記述もあった。

   さらに16年7月、相模原の障害者施設で起こった殺傷事件にも言及し、「こうした事件にならなければ、振り向かないのでしょうか」と書いていた。今月(10月)には、「自暴自棄になった」と書いていた。何を訴えたかったのか。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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