日本政府は日米・日比・米比関係の板挟み
アメリカに盾突き、中国に歩み寄り、「反米親中」を露わにするドゥテルテ大統領の来日に日本政府は困惑気味だ。とくに、中国が軍事戦略上最も欲しがるフィリピンの南シナ海スカボロー礁の行方については日本にも大きな影響がある。コメンテーターの龍崎孝(流通経済大教授)はこう見る。
「これまで日本とフィリピンの関係が安定していたのは、フィリピンがアメリカと非常に仲が良く、日米関係の延長線でとらえ、外交的駆け引きをする必要がなかったからです。でも、今回の(大統領の)一連の発言で根底が崩れた。日本政府としては中国の海洋進出について、原則的に(大統領が)どう考えているのか質さなければいけない立場になりました」
アメリカ政府も大統領の本音を知りたいところだろう。間に立つ日本政府の役回りは重そうだ。