宮城や埼玉などでの開催が議論される東京五輪のボート・カヌー会場問題で、今度は韓国の忠州市での代替開催案が浮上した。きのう18日(2016年10月)に行なわれたIOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長と小池都知事の会談にタイミングに合わせたような「第4の案」の背景を探っていくと、どうにも怪しげな情報操作の臭いがしてくる。
IOC会長も「噂にはコメントしない」
ソウル南東の忠州市には1100人分の観客席を備えた2000メートル8レーンのボート競技場があり、2013年の世界選手権など、毎年、国際大会が開かれてきた。
司会の羽鳥慎一「施設は立派でも、そもそも日本ではないということが問題です。突如として話が出ましたね。IOC会長の意向なのですか」
スポーツライターの玉木正之氏は「海の森水上競技場に戻したい人のリークです」とはっきり言う。東京五輪招致担当課長だった鈴木知幸氏も「組織委員会の一部の人から出たらしい。組織委員会がブラフをかけています。IOCは検討もしていません」と指摘する。バッハ会長も「噂についてはコメントしません」と答えている。
開催危なくなって施設費も300億円にディスカウント
ボート会場の建設費は、東京臨海部の海の森水上競技場が当初予算の79億円から519億円に膨らんだが、今度は300億円前後に圧縮する案が持ち出された。
羽鳥「ディスカウントといいっていい。これまでの数字はなんだったのですかねえ」
どうしても海の森にしたい人たちや都庁の思惑から建設費が下げられたのだろうが、「韓国で開催説」も「韓国に持っていかれるぐらいなら、多少高くても東京の方がいい」という「世論つくり」を狙ったデマ工作のようだ。