医師も診断したことない「昔の感染症」蔓延の恐怖!はしか・肺炎・・・都心で感染拡大

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   先月(2016年9月)、関西空港から広がったはしかの集団発症に関係者は衝撃を受けた。10年前まで日本ははしかの輸出国だったが、予防接種を徹底して撲滅、昨年ようやくWHOから「排除」が認定されていたからだ。

   8月下旬、20代の若い空港スタッフが発熱と喉の痛みを訴えていた。3か所の病院で受診したがはしかとわからなかった。初期症状は風邪と変わらないが、感染力は強い。2週間後にはしかとわかった時には、32人が発症していた。

   最初の発症者となった空港スタッフが受診したクリニックの医師がいう。「40歳以下の医師は、はしかを見たことがない」

   中国やインドなどでははしかはまん延している。関空から入った後、特定の世代を直撃していた。20代後半から40歳までの予防接種を1回しか受けていない世代だ。40代以上の多くは免疫がある。10代や20代半ばまでは予防接種を2回受けている。その谷間の世代だった。

アジアの流行地域から侵入

   1度は撲滅したはずの感染症の再発を再興感染症という。結核もそのひとつ。50年前まで日本人の半数が感染していた国民病だったが、優れた治療薬のおかげで激減した。それが最近になって都市中心部の意外な場所で見つかっている。外国人留学生が学ぶ日本語学校だ。今春、東京都内の学校で、生徒、日本人教師ら43人が集団感染した。おそらく、20代のアジアの若者が起点だが、感染した日本人教師は「結核なんて他人事だった。驚き、衝撃」という。日本ではそれほどに忘れられた病気だが、インド、タイ、フィリピン、インドネシア、モンゴルなどアジアでは今もまん延している。

   国立国際医療研究センターの大曲貴夫さんは「私もはしかを見たのは研修医だった20年近くも前」という。小郷知子キャスターとゲストの優木まおみさん(タレント)は「谷間の世代」だった。優木さんは「母子手帳で調べてみたら、予防接種は1回でした。いま妊娠中なんですが、どうしたらいいですか」

   妊婦がはしかに感染すると、流産や早産の危険がある。大曲さんは「人が集まるところへなるべく出ないことですね」というしかない。

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