「オバマ大統領は地獄へ落ちろ」など数々の暴言から『フィリピンのトランプ』と呼ばれるロドリゴ・ドゥテルテ大統領が今月(2016年10月)25日に来日する。3日間の滞在中に安倍首相との首脳会談や天皇陛下との面会も予定されている。
麻薬犯罪者3000人以上を司法手続きなしで殺害し、国際社会から非難を浴びている大統領だが、国内の支持率は一時91%と異様に高い。麻薬犯罪撲滅への期待からだが、それにしてもその手法、発言は過激を通り越している。
「麻薬犯罪者ども喜んで殺してやる」
「ヒトラーは300万人のユダヤ人を殺した。この国にはいま300万人の麻薬中毒患者がいる。俺がやつらを喜んで殺してやる」
フィリピン麻薬王の一人と言われる人物を恫喝する映像では「お前に警告する。お前を殺すと脅しているんだ。本気でお前を死刑にするぞ。証拠が見つかったらお前は終わりだ」 警察官が麻薬犯罪者を殺害すると報奨金が出るのだという。フィリピンの平均月収は3万円だが、報奨金は末端の密売人殺害が約10万円、その上の麻薬密売人は約600万円、麻薬組織の幹部は約1000万円という。一般市民による麻薬犯罪者の殺害も奨励しており、ドゥテルテ大統領になって殺し屋に変身したという主婦は「5人殺しました。初めてだったので怖くて緊張しました」と話す。おかげで麻薬犯罪者が次々に出頭し、捕まった約70万人で刑務所はすし詰め状態という。
司会の夏目三久「陛下との面会を不安視する声もありますが、実は親日家の一面もあるそうですね」
サイエンス作家の竹内薫「大統領就任直後に面会希望者が殺到したそうですが、最初に会ったのは日本の大使だったそうなんですよ」
来日は初めてではなく、娘さんがディズニー大好きで、プライベートでは何度も日本を訪れているという。
文 モンブラン/似顔絵 池田マコト