寿司店で外国人客への「わさびテロ」があった大阪で、今度は10日(2016年10月)昼前、南海電鉄のなんば駅から関西空港行きの空港特急で「日本人のお客様にご不便をおかけします。本日は多数の外国人のお客様がご乗車されていますので、しばらくの間、ご辛抱願います」とアナウンスがあった。日本人が「定められたアナウンスなのか」と駅で問い合わせて発覚した。
車掌は40代で、なんば駅で乗客が「外国人が多くて邪魔だ」と叫んでいたので、トラブルを避けるためにアナウンスしたと説明した。「差別の意図はない」と言っているという。
外国人向けマナー喚起も効果なし
空港急行の乗客はだいたい30%近くが外国人だという。いっぽうで、この路線は堺、岸和田を通る生活路線でもある。なんば駅には外国人向けに、「食事はしない」「携帯は使わない」「床に座らない」など車内のマナーを守るよう呼びかけがある。しかし、たくさんのスーツケースで社内は大混雑となり、声がうるさい、マナーが悪いなどの苦情は多いという。
今回のアナウンスをどう思うか、日本人、外国人に聞いてみた。日本人は「こっちはイライラしてる」(60代女性)、「いいんじゃない。感じ悪い人いっぱいいるから」(70代女性)と肯定派。「アナウンスじゃなくて、直接言えばいい」(54歳男性)、「差別だとわかる人だっている」(30代女性)という。
外国人は「国際都市なんだからそんなこと言うべきじゃない」(台湾、30代女性)、「気を付けているのに、2度と来たくない」(台湾、30歳女性)、「外国人もマナーを守るべきだよ」(香港、37歳男性)と話す。