アメリカ大統領選の2度目のテレビ討論会が、日本時間のきのう10日(2016年10月)にミズーリ州で行われた。共和党候補のドナルド・トランプの過去の女性蔑視発言批判に、トランプは民主党候補ヒラリー・クリントンの夫、元大統領ビル・クリントンのセックススキャンダルで応酬するなど、前代未聞の泥試合になった。
元大統領にレイプされた?自称被害者並べて牽制
討論会直前に、トランプの11年前の発言というのがメディアに出た。録音された音声で、「彼女胸は大きいし、いいカラダしてるよ」「美人にはキスしまくっちゃう」「×××(放送禁止語)をつかめばなんでもできる」となんとも下品な内容だ。
司会者が「性的暴行に等しい発言だ」と追及すると、トランプは「もちろん誇りには思っていない。家族やアメリカ国民に謝ります」と殊勝だったが、「これはロッカールームでの雑談みたいなものだ」と開き直り、突然、「過激派組織イスラム国は」と話を変えてしまった。
さらに、「私は女性を尊敬している」「この国を安全な国にする」などと支離滅裂。クリントンは「今まで大統領になる資格まで問うことはありませんでした。トランプ氏は例外。大統領になるべきではない」とたたみかけた。
するとトランプは「私は口で言うだけだが、クリントン(元大統領)はやった。ヒラリー氏も被害者の女性を残酷なほど攻撃した」と攻撃し出した。トランプは討論前、クリントン元大統領に暴行されたという4人の「被害者」女性を集めて、それをSNSに流していた。「ビルは私をレイプし、ヒラリーは私を脅迫した」などなど。テレビ討論の会場にも連れ込もうとしたのだが、これはさすがに主催者が止めた。いやはや凄まじい。
ヒラリー・クリントンは「彼の言うことは嘘ばかり」「トランプ氏のような人間がこの国の法律に携わる立場にいないことは幸運だ」というと、トランプは「そうなったら君は刑務所行きだもんな」
最後は互いを「嘘つきだ」と罵り合う泥試合に。視聴者は「ゴシップばかりで笑っちゃう」とうんざり顔だ。