歴代ノーベル賞受賞者が口々に語る危機感「日本に基礎研究を伸び伸びやらせる環境なくなった」

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   ノーベル医学生理学賞を大隅良典・東京工業大学栄誉教授が受賞し、これで日本人は3年連続、世界的に見ても多いという。2000年以降の自然科学系の受賞者数を国籍別に見ると、日本はアメリカに次いで2位だ。

   しかし、一方では気になるデータもある。小郷知子キャスターは「将来を考えると、決してバラ色とはいえない状況があります」という。

   博士課程の進学率は1993年の15.3%から2013年は8.9%に低下し、あらたに発表される論文の数も減っている。歴代のノーベル賞受賞者たちも、一連の受賞は、自由で恵まれた研究環境があった過去の時代の成果だと指摘している。

ノーベル化学賞・根岸英一「いまのノーベル賞ラッシュは30年、40年前に発している」

   10年にノーベル化学賞を受賞した根岸英一さんは、「今はえらい勢いでノーベル賞を取ってますけども、これがいつまで続くかはわかりませんね。今のノーベル賞の波は、たぶん30年、40年前に発している」と話す。

   2015年にノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章さんも「80年代後半から90年代、日本が元気だったころに、みなさんが伸び伸びと研究をした成果が出てるんじゃないかと思います。多くの基礎科学研究は、短期で明確な答えが出るものではないが、そういう時間がかかる研究を許すような社会が望ましいと思います」と語る。

   2012年にノーベル医学・生理学賞を受賞した山中伸弥さんは「いま日本の科学はすぐに役に立つものに目がいって、基礎研究が軽視される傾向が少しあるかなあと危惧しています」と話す。

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