6億人が異動するという中国の国慶節連休が1日(2016年10月)から始まった。この時期、日本に大挙して爆買いにやってきた中国人観光客だが、司会の夏目三久キャスターによると「今年はある変化が起きています」
若いカップルに話を聞くと、「目的は爆買いじゃないんです」「人民元の為替が下がった影響もあるし、今は中国にいても日本のAmazonを使って買い物ができるので、旅行で買う必要がありません」と話す。また別の中国人女性は「私は大阪や京都に行きたい。日本の歴史をもっと知りたいです」という。
名所めぐりやインターネットで探した体験型で安く楽しむ
中国経済の低迷もあって、爆買いは沈静化し、個人で名所めぐりやインターネットで探した体験型の安く楽しめる観光に変わりつつあるようだ。山梨県の富士山麓にある名水の里「忍野八海」では、1日はあいにくの天候不順で富士山は見られなかったが、それでも多くの中国人観光客が訪れた。人気の理由は、中国人にとって八海の8はラッキーナンバーだし、無料ということもあるらしい。女性観光客たちは「富士山は世界遺産ですし、友だちが来たことがないので連れてきました」「ほんとうに良いですね、雰囲気が温かいし」と喜んでいる。
東京・秋葉原でも電気街素通り・・・カフェ「アウルの森」中国にはないから
東京・秋葉原では、人気だった電気街には目もくれず、中国人観光客が向かったのは昨年4月(2015年)にオープンした30種類60羽のフクロウに触れることができるカフェ「アウルの森」だった。女性観光客は「普段、フクロウを手に持つことも、間近で見ることもできないので、こういう機会に触れられてとてもうれしいです」
観光業に詳しい淑徳大学の千葉千枝子教授はこう指摘していた。「そこへ行ったからこそ得られる体験だとか、お土産もスーパーなんかで日常的に使うものを買うなど、景気減速で爆買いのスタイルから堅実消費へと向かい始めていると思います」