2020年東京五輪・パラリンピックの開催費用を検証する都政改革本部の調査チームが、建設費が数倍に膨れ上がった競技会場の建設中止を含む見直しを打ち出した。司会の小倉智昭は「ここにきて、どういうことかね。なぜそんなに工事費がはね上がったの?」と取り上げた。
当初見積もりの7倍に高騰!落札率99・99%のヤラセ入札
ボート・カヌー会場の「海の森水上競技場」は当初の建設見積額は69億円だったのが491億円と7倍に膨れ上がった。埋立地で地盤工事が必要なうえに、海に近いため波や風を防ぐ堤防を整備しなければならないなどのためという。水泳会場の「オリンピックアクティクスセンター」とバレーボール会場の「有明アリーナ」も、当初予算の2倍になっていた。
工事業者を決める入札にも疑問が出ている。「海の森水上競技場」の落札額は都が上限とした工事予算見積りの99・99%、他の2施設もそれぞれ87・26%、99・82%だった。この率が高いほど業者の利益が大きくなる。
小倉「豊洲もそうでした。なんのための入札制度なのか」
キャスターの菊川怜「予算額が上がるのを一般の人への説明が遅いですよね。もどかしい」
建設を中止して、宮城県登米市の長沼ボート場をボートやカヌー会場とする案が浮上している。東京から360キロ離れているが、10億円の整備費ですむ。復興五輪のシンボルにもなる。
きょう都政改革本部の初会合
これをめぐってきょう29日(2016年9月)、小池知事や五輪組織委会の森喜朗委員長、丸川珠代五輪担当相らが調整会議を開いたが、具体的な決定はなかったという。小池知事は「改革本部から報告を受ける会議でした。どうやってコストカットをするか。いかにしてレガシーを残すか。(出席者は)報告書をそれぞれ重く受け止めている」と話した。