大阪の近鉄・東花園駅で、乗客の理不尽なクレームに逆上した若い車掌が高架から飛び降り重傷を負った事件で、車掌の「寛大な処遇と心のケア」を望む近鉄社長宛の「嘆願書」に5万件を超えるネット署名が集まった。
事件が起きたのは21日(2016年9月)午前11時頃で、人身事故の影響で停車していた電車の乗客が車掌に詰め寄った。目撃者によると、「どう責任とんねん」「バス手配しろ」とひどかったらしい。26歳の車掌は「もうこんな仕事やってられるか」と叫んで、帽子と上着を脱ぎ捨て線路に飛び降り、さらに8メートルの高架から飛び降りた。
エスカレートする駅員・乗務員への八つ当たり
事件の後、ネットには「駅員さんも大変そうやな」「人身事故で駅員に怒るお客の方がおかしい」などと、車掌に同情する声が上がった。そして、署名を集めるホームページができた。騒動を知った40代の男性が始めたという。「現場でのやりとりがかなりひどいものだったということがわかって・・・」
この男性はおととい26日、それまでに集まった約2万1000人分の署名を添えて、「嘆願書」を近鉄に郵送した。けさ28日6時の時点で、署名は5万2000人に達したという。男性は「現場で何があったのかを、まず第一に調査していただけたらなと思います」と話している。
駅員に対するクレームはエスカレートする傾向にある。近鉄でも7年間もキセルを繰り返し、あちらこちらで駅員に噛み付いていた男が先週逮捕された。小田急線ではスマホを使って「迷惑なんだよ」と喚く男、電車のドアが閉まったと喚く男の映像があった。東京メトロでも女性の話し声が大きいと駅員に絡む男の姿があった(いずれも視聴者提供)。ひどいものだ。
反論できないのをいいことに暴言吐く卑劣
司会の羽鳥慎一「クレームの映像をご覧いただきましたが、何なんでしょうね。なんであんなに怒ってるんでしょう」
浜田敬子(「アエラ」前編集長)「最近多いですよ。目撃することあります。車内が殺伐としているというか、ちょっと当たっただけでものすごい喧嘩になったりする。女性に膝蹴りする男もいてびっくりしました。みんなどこかでイライラしていて、それを乗務員にぶつけてしまうのではないですか」
羽鳥「あなたが一番うるさいんだよと、言いたいくらい」
野村修也(弁護士)「駅員は反論できない立場ですよね。それに暴言を吐くのは卑劣ですよ」
羽鳥「あんな理不尽なことをあの勢いで言われたらねえ」
大手私鉄16社の駅員や乗務員などに対する暴力行為は、08年の236件以後、ずっと200件を超えている。「モーニングショー」が11社に聞いたところ、クレームへのマニュアルがあるのは、東京メトロ、小田急、近鉄の3社、サービスマニュアルで対応が4社、マニュアルなしが4社だった。
羽鳥「マニュアルが少ないというのは、車掌さんとかに任されているということですかね」
鉄道警察官を増やす必要がありそうだ。