加山雄三「吝嗇」が招いたゴーストライター反乱と「ぼくの妹」骨肉の争い
週刊文春が加山雄三に「ゴーストライターがいた」と報じている。それも初期の頃の「恋は紅いバラ(Dedicated)」や「ブーメラン・ベイビー」「マイ・ジプシー・ダンス」などの英語の歌詞を書いたというのだ。
きっかけは1本の留守番電話に吹き込まれた以下のような加山の音声であった。「僕の名前と君の名前では値打ちが違うからね。(報酬が支払われたら)お金を送るよう努力するよ。それでいいかい? だから君はこれまでと同じように僕のゴーストライターでいてくれないといけないんだ」(原文は英語)
この相手は、加山の妹と結婚、離婚した元米軍厚木基地にいたマイケル・ルノー氏。ルノー氏は60年代に加山のために作った11曲と、15年に発売された「I simple Say」の作詞のおカネを合わせて払ってくれと加山に要求していたのだが、いつまでも払われないので、米国と日本で訴訟を起こす準備を始めていると、加山側に通告したそうである。
さあ加山はどう答えるのか。加山は「I simple Say」についてはルノー氏の作詞だと認めたが、それだけでは足りないので、自分で足して書いたから「僕の作詞」だという。これはやや苦しいいい訳だが、昔の曲については、その当時親しかったルノー氏に、英語の表現がおかしくないかを修正してもらっただけだというのだが、これは頷ける。
どうやらここまで話がこじれたのには、加山の吝嗇があるらしい。ルノー氏と加山の妹は70年代に離婚しているのだが、「加山さん自身も、亮子さん(妹=筆者注)とは、お金をめぐるトラブルが原因で十数年前に絶縁していて、彼女は以前住んでいた港区内の高級マンションを出て、現在はお子さん二人と困窮されていると聞きます」(当時を知る人物)
ゴーストライター問題よりも、このほうが加山にとっては大きなイメージダウンになると思うが。加山には「ぼくの妹に」といういい曲があるが、あの歌を歌う加山の笑顔の裏に骨肉の争いがあるとすれば、素直に聞きことができなくなるからだ。