大阪の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)で、人気のホラー企画「祟(たたり)」に使われている人形が、神社の供養に奉納された、いわゆる「お焚き上げ」のものが流用されていると、問題になっている。
50代の女性は子供のために30年大事にしてきた人形だったが、娘が家を出て置く場所もなくなり、人形供養で知られる和歌山市の淡嶋神社に奉納した。USJが今月10日(2016年9月)から始めた「祟」には、約500体の人形が「呪いの生き人形」として並べられた。協力したのが淡嶋神社だった。USJによると、「どんな企画か理解してもらった上で」人形の提供を受けたという。
子どもの成長願った人形をお化け屋敷に!?
展示はどう説明しても「お化け屋敷」だったから、これは騒ぎになった。客たちは「リアルに怖かった。お勧めはします。怖いのも見たければどうぞ」「怖すぎて目が開けられなかった」「子供と一緒に行った。本当に生きたものが出てくるから、恐怖は結構ある」と楽しんでいる。
奉納した女性は5000円の祈祷料を納めていた。「腹たちますよね。子供の成長を願って大切にしていた人形を、怖がらせるために使うなんて。言語道断」と怒る。
人形供養をしている寺社は多いが、千葉・長南町の長福寿寺は預かってから3か月間、毎日の読経供養してから「火葬」にするという。専用の「火葬炉」で年間数千体をお焚き上げというわけだ。しかし、寺によっては、お経を上げた後で廃品回収業者に任せるところもあるという。今井長秀住職は「スタンス・考え方の違いだと思います。私どもは持ってこられる依頼主さまのお心を大事にしたい。最終的には住職の考え」と話す。
USJはイベント中止せず「多くの方に見ていただけば供養になる」
街の声を聞いても、「焚き上げが常識。そんな使い方は常識はずれ」「供養にもならないし、出した人にも失礼」と厳しい声が多いが、「遊びに行く側なら、どっちでもいいかな」という若い女性もいた。
司会の羽鳥慎一「まあ、いろんな意見があります。奉納した人が知らなかった」
USJに聞いてみると、「これまでホラーはハリウッド映画が中心でした。初のジャパニーズで、淡嶋神社に相談し、監修いただいている。人形はお貸しいただいており、多くの方に見ていただけば供養になると考えています」と話す。アトラクション中止などは考えていないという。
浜田敬子(「アエラ」前編集長)「奉納した人からすると、雛人形が『祟』に出されたらちょっと耐えられない。祈祷料の中には火葬まで入っているはずですよね。それを果たしてない。裏切りになるのではないでしょうか」
宇賀なつみキャスター「ゴミやリサイクルに出したのとは全然違うから・・・」