「モーニングショー」はしつこく東京中央卸売市場の豊洲新市場問題を追う。小池都知事はきのう19日(2016年9月)、パラリンピック閉会式のために滞在しているリオデジャネイロで、「出張中の調査を指示してあるので、その結果を知りたいですね」「結果によっては、石原元知事にも話も聞くこともあるかもしれません」と語った。
たしかに、2001年に豊洲移転を決定したのは石原氏で、その後の経緯も腑に落ちないことが多すぎる。
ほかにも移転候補地いくつもあったが「遠い」「狭い」とふるい落とし
石原時代の副知事の青山やすし・明治大教授は当時の全状況を説明した。築地市場をどうするかは、築地の関係者と都との間で長い論議が行われ、ようやく移転で合意ができたのが1999年11月(仲卸は反対のまま)だった。移転先の候補地は豊洲も含め5つあったが、豊洲以外は「遠い」「狭い」「形が悪い」などさまざまな理由で、青山氏は「豊洲しかなかった」という。「ベストではないが」
しかし、玉川徹(テレビ朝日ディレクター)は「『しかなかった』とは思えないですけどね」と納得しない。ジャーナリストの池上正樹氏は「他の候補地の話には、常に豊洲がついて回った」という。築地市場のある東京・中央区の矢田美英区長は「豊洲が有力と当初から考えていたんじゃないか」と疑心暗鬼だ。
石原知事は多くの批判を退けて豊洲移転を決定するのだが、そこに土壌汚染という大問題が発覚した。東京ガスは譲渡までに対策工事をしますと約束し、6年後の2007年4月に「汚染対策は完了した」と報告があったが、都が「念のために」土壌を調べたところ、環境基準の最大4万3000倍というベンゼンを検出された。
築地市場再開発だったら半分の費用で済んでた
汚染問題は2007年の都知事選の争点にもなり、石原氏は「汚染対策」を約束して当選した。専門家会議の提言を受けて「汚染土の除去」「盛り土」を行われたはずだったのだが、都は勝手に地下空洞を作っていた。これについては、青山元副知事も「なぜそうなったのかは問題だ。誰が決めたのか。情報公開して信頼を回復するしかない」という。まるで他人事だ。
玉川「汚染がなければ、他の候補地を外して行った理由も立つと思うが、汚染があるところに生鮮食品を扱う市場を作るというのが釈然としないですよ。他に理由があったんではないですか。そこを解明しないと、都の信頼は回復しない」
築地を再開発する案もあった。しかし、20年前の金で3000億円かかるというので断念している。ところが、豊洲につぎ込んだ都の税金はすでに5900億円。
玉川は「20年前にやっておけば、今の半分で済んでいた」と怒る。
帰国する小池知事にどんな報告がなされるのか。話がだんだん生臭くなってきた。