2008年5月30日、当時の石原知事が「コンクリートの箱を埋め込む方が早くて安いということでした」と会見で語っている映像があった。2か月後の7月に専門家会議が「汚染度の除去・盛り土」という方針を出すが、その後の技術会議は非公開で、地下空間が作られたことは表に出なかった。専門家も知らない。
「下から上がってきたことを伝えただけ。オレは素人だよ」
では、石原知事が指示を出したのか。きのう15日(2016年9月)、自宅前で石原氏は「盲点はなんですか。設計事務所を変えたことだよ。それで盛り土をやめた。わけのわからないものを作った」と話した。「コンクリートの箱」の話は「下から上がってきたことを報告しただけ。(自分は)なんの知識もない」という。たしかに、会見の映像では「・・・ということでした」とまた聞きであることをほのめかしている。
ところが、当時の中央卸売市場長(局長級)の比留間英人氏は、「違いますね。知事から『こういう話を聞いたから検討してみろ』ということだった」という。「地下室は避けたほうがいいという専門家会議の指摘は重い。『採用できません』とブリーフィングした」と説明する。となると、「箱の話」を石原氏に吹き込んだ誰かがいたということになる。
文
ヤンヤン