NHKは「ネットからも受信料」を集めるつもりのようだ。現行の放送法はテレビの受信だけを想定しているが、現実にはパソコンでもスマホでも受信は可能で、ワンセグを巡って「受信料払う義務はない」という地裁判決が出たが、NHKは控訴して戦うらしい。
籾井勝人NHK会長は「ワンセグでも受信できる以上、徴収対象だ。ネットでも見られるようにして、ネットからも取る」と話している。NHK経営委員会の石原進委員長も「番組の制作には金がかかる。公共放送維持のためには、ネット配信であっても何らかの形で受信料をいただく必要がある」と語った。テレビ、パソコン、スマホへの同時配信を踏まえての見解だが、受信料の概念を変えるという意思表示に等しい。
ドイツ公共放送は受信機課金から世帯ごとに変更
放送法64条(受信契約及び受信料)第1項は、受信契約を結ぶ必要があるのは「放送を受信できる受信設備を設置した者」となっていて、テレビ受信機を持っている人が対象だ。ネットは放送ではなく通信なので、これを含めるためには法改正が必要になる。
上智大の音好宏教授によると、欧米の公共・国営放送はネットとの同時配信が主流で、ドイツ公共放送(ARD)のように、従来の受信機課金から住居ごとの課金に改めたところもある。たしかに、機器への課金だと同じ人がダブって払う事態にもなりかねない。
法律では「テレビは放送」「ネットは通信」
司会の羽鳥慎一「スマホやパソコンで見る人は増えています。時代とともに変わっていくのかな」
長嶋一茂(スポーツプロデューサー)、「見たいテレビに金を払うのは当たり前だが、NHKは多分見ているからというので金を取る。おかしい」
玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「お金の面で独立性をもたせて、公共性を保つのが放送法の趣旨ですが、なかなか納得感は得られない。見た分だけ払うようにできたらいいんだけど」
吉永みち子(作家)「公共放送は国民がスポンサーですよね。法律が遅れている」
たとえ法改正してネットも受信料徴収が可能になったところで、テレビを持たない若い人の捕捉なんかできるものだろうか。コストばかりが膨らんで・・・となりはしないか。