東京都卸売市場の豊洲新市場の汚染対策の盛り土が行なわれていなかったのは、いったいだれの指示だったのか。都は2008年、工法を検討する有識者の技術会議に、建物地下を空間にする提案をしていたことがわかった。地下水のモニタリングと建物自体のメンテナンスのためとされるが、十分な議論はされないまま、都が独自に決定したという。
技術会議委員「都から何の説明もなく。議論もしていない」
技術会議の当時の議事録には、「空洞を確保することで地下水の浄化が可能になる」と短く記載されており、ここで「盛り土抜き」に舵を切ったことがわかる。しかし、技術会議委員だった川田誠一・産業技術大学院大学学長は「都から説明はなく、議論はされていない。(全面的に盛り土をするという)専門家会議の結論を実現するためにやってきたのに憤りを感じる」と語る。
藤森祥平アナ「決定までのプロセスを踏んでいなかったということです」
都の担当者は「あさチャン!」の取材に「担当者がいろいろ代るから、失念したのではないか」と答えた。安全を宣言した当時の舛添要一前都知事は取材を断ったという。
司会の夏目三久「それですまされることですか?」
はじめから専門家会議の提言など聞くつもりなし?
牧嶋博子(TBS解説室長)「議論が形骸化されていたのではないでしょうか」
都側にしてみれば、専門家会議が提言する「全面盛り土」にすると、工期も費用もかかるため無視したということだろう。はじめから、専門家会議は「安全」を演出するためのアリバイつくりで、提言に本気で耳を傾けるつもりなどなかったのかもしれない。
小池知事は「重大な局面で、緊張感とスピード感、責任感を持ってあたってほしい」と職員に指示し、当時の専門家会議のメンバーを再招集することを決めている。