「土壌汚染対策の盛り土が行われていなかったことが明らかになりました」とキャスターの菊川怜が東京都卸売市場の豊洲移転問題で新展開を伝えた。小池百合子知事はおととい10日(2016年9月)に緊急記者会見を開き、豊洲新市場の水産仲卸売場棟、青果棟」などの建物5棟の下が、土を入れずに空洞にされていたと明らかにした。盛り土がないのは全面積の3分の1にあたる。
移転推進派仲卸業者も「われわれはモルモットか」基準値4万3000倍のベンゼン
豊洲市場の用地は東京ガス工場の跡地で、建設予備調査の段階でベンゼンなどの有害物質が基準の4万3000倍検出された。都は880億円をかけて土壌入れ替え工事を行い、地表2メートルまでを取り除いた上に4・5メートルの新しい土を盛るとしていた。この工事は14年に終わり、当時の舛添知事は「汚染対策は十二分にやり、その上に施設を建てる」と話していた。
移転に反対する市場関係者は「都はこれまでもないものをあるとずっと言ってきた。またやっているという印象だ」と憤る。11月移転を主張していた関係者も「冗談じゃない。大問題です」「われわれはまるでモルモット。信頼はまったくありません」と怒っている。
都は「建物にはコンクリートの上にあるので、土がなくても安全と認識していた」という。では、ホームページで「きれいな土を盛ります」と言っていたのはウソかという疑いも出る。
小池都知事「全職員を粛正」
配管や配線を通すための空洞ともいうが、建築エコノミストの森山高至さんは「それには不自然な高さ。工事のモニタリング用につくったのではないか」と指摘する。とすれば、東京五輪までに工事を急いだためと推測されてくる。共産党都議団が調査した時に撮った写真では、建物の床には水が1センチほどたまってもおり、汚染水かと不安が増す。
司会の小倉智昭「いろいろな疑問に、こと細かく都は答えていないとも聞きます。食の安全が危ないと思われたら、元も子もありません」
小池知事は「問題はどんどん出していこうと思う。全職員を粛正していきたい」と強い言葉で語った。