豊洲新市場への移転が延期になった築地市場で、仲卸業者で作る任意団体が自民党東京都連に政治献金をしていたことが問題になってきた。自民都連の2013年度の政治資金収支報告書には、「築地・水産仲卸政策協力会」の名前で200万円が寄付されていた。代表者名は伊藤淳一。東京魚市場卸協同組合(東卸組合)の理事長だ。
「モーニングショー」が独自入手した「協力会」の13年度の収支報告書では、献金の他に推進派の政治家のパーティー券購入などに56万円が支出されていた。慎重派の組合の三浦進理事は「賛成派・反対派が右往左往していた時期に、勝手にみんなのお金を、特定の政党に渡したのは、誰が考えてもおかしい」と反発する。
卸売組合理事長の一存
この団体は1968年の設立され、仲卸組合とは表裏一体で政治活動を担う。収入は仲卸業者の会費だ。09年は会費の9割が政党への寄付やパーティー券購入に充てられ、12年間で1億3000万円にのぼると報じられ(朝日新聞)、騒ぎになった。
当時聞き取り調査をした組合の元理事、岩井令子さんによると、(当時の)理事長が金額を言うとそのまま出た。領収書はもらったことがなく、言われるがままに支出していたということだった。
この後、会費の徴収を休止、今回明るみに出たのは繰越し金だという。200万円の献金のほか、シンポジウム参加費などの名目で都議に20万円、国会議員に6万円、2万円などが支出されていた。
繰越し金は13年度で4600万円あった。会費が徴収されていた時は組合の会報に収支が載っていたが、休止以後は載っていない。岩井さんは「ブラックボックスですね」という。
伊藤理事長は「団体は東卸組合とは別の団体で、私もそこの代表者ではない。事実関係はそういうこと」と肝心の質問には一切答えなかった。日本大の岩井奉信教授は「任意団体の会計は不透明な部分が多い」と話す。
任意団体は政治資金規正法の対象外
協力会は任意団体なので、政治資金規正法の規制を受けない。
吉永みち子(作家)「前の騒ぎで会費を徴収しなくなって、みんなの関心もなくなったんでしょうね。それが、かえって自由にお金を動かせるようになったのかも」
司会の羽鳥慎一「組合が献金するのはいいんですね?」
玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「築地の場合はそれぞれが事業者。移転についても賛成、反対分かれているのに、幹部が勝手にやったので怒っているんです」
吉永「賛否が分かれているから、みんなにはかったらできなくなっちゃうということなんでしょうね」