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ネットメディアいい加減で信用できないか?「ビジネスジャーナル」捏造記事は論外だが大新聞にもあるぞ

   ところで、私には日本インターネット報道協会代表理事という肩書きがある。これは私がオーマイニュースを辞めたとき、JANJANの竹内謙氏(故人)やJ-CASTの蜷川真夫氏、ビデオニュースの神保哲生氏らと、インターネットの中にしっかりしたジャ-ナリズムをつくろうという目的でつくった組織である。講演会や勉強会などをやってきているが、正直、まだ道半ばである。

   そんな私のところへ週刊文春から話を聞かせてくれと電話があったのは先週末であった。ネットメディアである「ビジネスジャーナル」が出したお詫びについてである。

   NHKがニュース番組内で流した「子供の貧困」特集の中で、登場した母子家庭の女子高生が、エアコンのない部屋に住み、パソコンが買えないのでキーボードだけを母親が買ってくれたと語ったそうだが、「ビジネスジャーナル」は映像にはエアコンが写っていたとヤラセではないかと疑問を呈し、NHKへも問い合わせたと報じたが、まったくの事実誤認で、さらにひどいことに、NHKへの問い合わせも捏造だったというのだ。

   論じるに価しないお粗末な記事だが、週刊文春の取材意図は、インターネット・メディアの現状はどこも同じではないのか、その現状を話せというものだった。まず私がいったのはこうだ。大新聞だってときどきそういうとんでもない捏造記事が問題になるのだから、ネットメディアだけに限った問題ではない。

   それが気に入らなかったのだろうか、2時間近く話したのに、記事中に引用されたのは以下の部分だけだった。やれやれ。<「ネットメディアには取材や原稿のイロハのイも分からない人も多い。書き手やチェックする編集者のレベルをどう上げるかが、ネットジャーナリズムの大きな課題となっているのです」>

   私がこの連載をしているJ-CASTについても聞かれたが、私は、蜷川さんをはじめ、あそこは元朝日新聞の人が多いから、チェック体制はしっかりしていると話したが、新聞などからの引用記事が多いのではと何度も聞いてきた。

   もしかすると、お前の「深読み週刊誌」は週刊誌からの引用ばかりで、批評になっていないではないかといいたかったのかもしれないなと、記者が帰った後でそう思った。今週のは引用の範囲ですかな、週刊文春さん?

   「ビジネスジャーナル」を含めて、いくつものメディアを出しているのはサイゾー社で、別のメディアだが、私も週刊誌評を書いているが、週刊文春によれば、ここは年商11億円を誇る業界最大手だそうだ。

   そうならサイゾー社の揖斐社長にいいたい。記事のクオリティを上げる体制をつくるなら、原稿料をもうちっと上げたほうがいいのでは。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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