小池都知事が20120年東京オリンピック予算の精査に動き出した。2日(2016年9月)に開かれた五輪組織委と都幹部との調整会議では、司会進行はこれまでの森喜朗会長から小池知事に代わっていた。会議は完全オープンで、知事は施設の建設費問題で積極的に発言した。
定例会見でも海の森水上競技場は「もともと69億円だったのが7倍に増えています。高いね、何かおかしいね」と発言していた。
「海の森水上競技場」招致前69億円→開催決定後1038億円→批判受けると491億円
「モーニングショー」は2つの施設について、予算の変更の背景を探った。「海の森」はお台場の隣、埋め立て地の中の水路を利用した会場だ。招致の段階では69億円だったが、その後の試算で1038億円になった。あまりにも高いと見直した金額が491億円、それでも当初試算の7倍というわけだ。
費用以外にも問題がある。ボートなどの競技団体は「南風が横風になりレースに影響が出る」とし、埼玉の会場を希望している。ところが、それについての会議で、都は「海の森は、工事期間、難易度、コスト面のどれも大変厳しい状況。とはいえ、ここでやるしかない」(2014年3月)と押し切ろうとしている。
また、国際ボート連盟の見直し要求に、都は「簡単に変更はできない。基本設計がすでに始まっている」と答えていた(2014年11月)。
元都庁職員の中央大・佐々木信夫教授は「ここをテコに、周辺再開発したいという意図ではないでしょうか」という。
住田裕子(弁護士)「費用の膨れ方は金額的に詐欺に近いですよ」
玉川徹(テレビ朝日ディレクター)「誰が得するんだろ。工事する会社は得をしますよね」
「海の森」の491億円の中身を調べたら、これまたとんでもないことがわかった。水路にある橋の橋脚が邪魔になるので、これを撤去して新たに橋をかけるのだという。その撤去費用38億円は都の環境局の予算に付け変わっていた。五輪予算を見えない化したわけだ。都は「付け替えでない」という。だが、説明は「橋は環境局のもの」「もともと新しい橋を作る計画だった」とわけがわからない。
玉川「ここでの開催をやめれば、橋はそのままでいいわけですよね」
石原良純(タレント)「埼玉に変えようとなったら、そうなるのですか」
佐々木教授は「もう審議が終わっているし、場所を変えるのはなかなか難しい」とまるで都庁職員に逆戻りのようなことを言う。
石原「それがわからない。会場について誰と話してるの?」
玉川「なんで難しいんですかね」
佐々木「IOCと決めたことだから・・・」
玉川「金がかからない五輪と言ってるのはIOCだから、そんなことはないはずですよ」